無園児の保育ニーズ、子育てで孤独を感じるほど高く NPO調査

 病児保育をはじめとする幅広い子育て支援に取り組む認定NPO法人フローレンスは6月15日、さまざまな事情で保育所や幼稚園などに入っていない「無園児」の保育ニーズに関する全国調査を公表した。無園児の子どもがいて、親が低年齢であるほど孤独感を抱く割合が高く、虐待などのリスク行動が見られる家庭ほど、定期的な保育サービスの利用意向が高いことが分かった。フローレンスでは、すでに今年度の時点で、無園児を全員、保育所に週に1回受け入れることは可能と試算。保育所を働いている保護者のための施設から、保育を必要としている全ての親子のセーフティーネットに転換すべきだと提言している。

 日本総合研究所と共同で行った今回の調査は、3月3~7日に、第一子が未就学児の保護者を対象にインターネットで実施。2000件の回答を分析した。このうち定期的な保育サービスを何も利用していない人(無園児の保護者)は1200人だった。

 調査結果によると、「子育ての中で孤独を感じる」「まあまあ感じる」と回答した割合の合計は、定期的な保育サービスを利用している保護者は33.2%なのに対して、無園児の保護者は43.8%と10ポイント程度高かった。特に、無園児の保護者で年齢が10代や20代と若い世代はこの割合が5割を超えるなど、他の世代と比べても高い傾向にあった。

子育ての孤独感と定期保育サービスへの利用意向の関係

 また、こうした子育てで孤独を感じている家庭ほど定期的な保育サービスを「利用したい」と答える割合は高く、「子どもに手を上げてしまいそうなことがある」「子どもを怒鳴ってしまうことがある」と回答した家庭ほど、そうでない家庭と比べて定期的な保育サービスを「利用したい」と答える割合が高かった。

 フローレンスでは、国の統計などから無園児の数を約145万人と推定。今年度の保育所などの空き定員を利用すれば、保育所などで無園児を週に1回受け入れることが可能だとする試算結果も示した。

 調査の公表にあたって厚労省で記者会見を開いたフローレンスの駒崎弘樹代表理事は「保育園は子育てのセーフティーネットとして重要な役割を担っている。乳幼児期から保育園を利用することで、子どもの発達や養育など、子どもに関する専門知識を持つ保育士や地域の子育て仲間とつながることができ、孤独な子育てに陥りにくくなる。ネグレクトなど適切な養育を受けられていない子どもに対しても、保育園への定期的な通園がセーフティーネットとなり得る」と強調し、少子化で待機児童問題が解消されたことで、保育所の統廃合を進めるのではなく、地域のインフラとして保育所の間口を広げていくべきだと提案した。

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