学習指導要領の部活動規定「見直しに取り組む」 文科相表明

 公立中学校における休日の運動部活動の地域移行を進めるため、来年度から3年間を改革集中期間とする検討会議の提言がまとまったことを受け、末松信介文科相は6月17日の閣議後会見で、部活動を「教育課程外の学校教育活動」と位置付けている学習指導要領の規定について、「適切なタイミングで必要な検討や見直しに取り組んでまいりたい」と述べ、5年後に予定している次期学習指導要領の改訂に合わせて、部活動規定の削除を含めて見直していく考えを表明した。これに先立ち、スポーツ庁などでは、現行の学習指導要領に基づく部活動運営であっても「部活動に生徒を強制的に加入させることは不適当」「部活動は必ずしも教員が担う必要のない業務であり、教員に限らず適切な指導者の下で行う」といった内容を年内に通知し、地域移行に向けた過渡期の部活動の在り方として学校現場に示す。

記者会見で質問に答える末松文科相

 学習指導要領における部活動の位置付けは、2008年に改訂された中学校学習指導要領の総則で、部活動の意義や留意事項が初めて盛り込まれた。2017年に改訂された現行の学習指導要領では、「教育課程外の学校教育活動」として、部活動は「学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、学校や地域の実態に応じ、(中略)運営上の工夫を行い、持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする」と規定されている。

 こうした現行の学習指導要領の位置付けがあるまま、部活動の地域移行を来年度から3年間で集中的に進めるとした検討会議の考え方について、末松文科相はまず、「二重スタンダードであるとは考えていない」とした上で、「検討会議の提言では、現在の部活動は地域移行が完了するまでの間に、過渡的に設置運営されるものという認識の下で見直しを図っていく必要があるとされている」と指摘。

 そうした過渡期の部活動について、検討会議の提言では「現行の学習指導要領に基づく適切な部活動の運営」として、「国から通知を発出するとともに、必要に応じて学習指導要領の解説編に明記する旨を盛り込んでいる」と説明した。

 6月6日にスポーツ庁の「運動部活動の地域移行に関する検討会議」がまとめた提言によると、国からの通知や学習指導要領総則の解説編で示すべき内容について、▽部活動は生徒の自主的・自発的な参加により行われるものであり、強制的に加入させることは不適当▽部活動は教育課程外の活動であり、設置や運営は法令上の義務ではなく、学校の判断により実施しない場合もあり得る▽部活動は必ずしも教師が担う必要のない業務であり、教師に限らず部活動指導員や外部指導者など適切な指導者の下で行われるもの--などを挙げている。これを受け、スポーツ庁では、地域移行に向けた過渡期の部活動の在り方として、こうした内容を年内に都道府県の教育委員会などに通知する方針。文化部の地域移行について議論している文化庁の検討会議の結論を待った上で、具体的な内容を詰めていくとしている。

 また、次期学習指導要領の改訂における部活動の規定については、運動部活動の地域移行に関する検討会議の提言で、規定そのものを削除することや、地域のスポーツ環境が整備されるまでの期間を限定した規定であることを明確化することが、求められる対応として例示されている。

 末松文科相は、こうした検討会議の提言内容に言及しながら、「文科省としては、学習指導要領の部活動に関する規定については、適切なタイミングで必要な検討や見直しに取り組んでまいりたい。学習指導要領は5年後に改訂される見通しなので、この間に十分な検討をしていきたい」と説明した。

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