視力1.0未満は小学生32.9%、中学生54.7% 文科省調査

 文科省が6月23日発表した2021年度児童生徒の近視実態調査によると、裸眼視力1.0未満の割合は小学生が32.9%、中学生が54.7%で、学年が上がるにつれて増加していることが分かった。これまで児童生徒の視力状況は毎年の学校保健統計調査で把握されていたが、視力の低下傾向が続く中で、文科省ではより詳細な調査が必要と判断して今回初めて実施。この調査は3年程度行われる予定で、GIGAスクール構想で児童生徒がタブレット端末を使用する頻度が増えていることから、慎重に調査結果と視力との関係を調べていくことにしている。

文科省初中局健康教育・食育課による近視実態調査の会見。右画面内は大野京子教授

 調査は昨年4月から12月にかけて全国29校の小中学生約8600人に対して行われ、うち26校約7400人を分析した。調査内容は目の屈折異常(近視・遠視・乱視)の有無、眼軸長(目の角膜から網膜までの長さ)、身長・体重など学校健康診断などのデータ、生活習慣・学校生活に関するアンケートなど。

 結果では視力1.0未満の割合は、小学生が32.9%、中学生が54.7%。男子は小1では1.0以上が79.50%を占めていたが、中3では42.46%に減少、逆に0.3未満が1.00%だったが、25.52%に増加した。女子でも小1では1.0以上が78.89%だったが、中3で35.14%に減少、0.3未満は1.67%が35.61%へと大幅に増加。男女別では女子の方が、学年が上がるにつれて近視が進む傾向があった。

 ただし男女とも一様に近視が進むのではなく、学年とともに進行のばらつきも目立ってくるという。これも女子の方に傾向が強くみられている。これらの男女の違いについて、調査を担当した大野京子東京医科歯科大学教授は「女子の方が体の成長が早いということも関係しているかもしれない」と指摘した。

 今回の調査では、視力1.0未満の割合は、冬の積雪など相対的に屋外に出られにくいなどの環境要因が想定される地域や都市部で高い傾向が見られたが、はっきりとした原因とは言えず、多様な要因が考えられるため、文科省では今後分析が必要としている。

 また、今回測定された眼軸長は、長いほど近視の度合いが強いとされている。調査結果では、小1から中3まで学年が上がるにつれて眼軸長が長くなっていた。大野教授は「詳しい分析はこれからだが、眼軸長の数値は正確性が高いので、将来的には眼軸長で近視の進行や発症を定義することができるようになることが期待されている。今回8000人近いデータがとれたということは大変意義深い」とした。

 文科省では、この調査を今年度以降も継続して行い、近視の実態を把握するとともに有効な対策を検討する。同時にタブレット端末などICT活用時に画面を30センチ以上離して見る、30分に1回は20秒以上遠くを見るなど、健康上の留意事項の周知徹底を図っていくという。

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