少しずつ縮まる心身の距離 イヌと交流する動物介在学習

 イヌの気持ちを想像して、仲良くなろう――。東京都大田区立中萩中小学校(石川貴美子校長、児童381人)で6月23日、1年生の児童がイヌと触れ合いながら、命の大切さや他者への思いやりを学ぶ生活科と道徳を連携させた授業が行われた。当初はイヌが苦手だった子どもたちも、イヌが怖がらないような接し方を意識しながら近づき、少しずつ心身の距離を縮めていった。

イヌに興味津々の児童

 授業は、ペットフードなどの販売を手掛けるマースジャパンの協賛で、イヌによる動物介在学習プログラムを提供する「マナーニ」が実施した。体育館に集まった児童に対して最初に「トイプードルにとって皆さんは巨人です。皆さんがバスを見るときのような感じです」と、イヌから人間がどう見えているかや、人間とイヌの時間感覚の違いなどを説明し、接し方を確認。その後、舞台袖から6匹のイヌが登場して、それぞれの名前や得意技が紹介された。

 さらにグループに分かれて、子どもたちは実際にイヌに触れてみたり、足の指の数や鼻の形などを観察したりしながら、そのイヌの個性や気持ちを理解し、打ち解け合っていった。子どもたちからは「うれしい気持ちになれた」「イヌの気持ちになれた」などの感想が出ていた。

針の速度が異なる時計を使って、人間とイヌの寿命や時間感覚の違いを説明

 このプログラムはマナーニと東京学芸大学が共同研究したもので、1時間目に生活科としてイヌとの触れ合いを行った後、各クラスでこの活動を振り返りながら、命の大切さや他者への思いやりなどを考える道徳の授業を行う構成となっている。子どもたちが触れるイヌは犬種や年齢を多様にすることで、より個性のある存在として認識できるようにしているという。

 カニンヘンダックスフンドのロッキーを連れて、子どもたちと交流した河村美和子さんは「イヌが苦手だという子も、ロッキーはおとなしいので、少しずつ肉球や尻尾を触れるようになる。子どもたちには、人であっても、イヌであっても思いやりの気持ちを持ってもらいたい。そのきっかけになればと思って参加している。シニア犬のロッキーにとっても、子どもたちや他のイヌたちと会えるのは刺激になる」と話す。

 マナーニ代表理事の内田友賀さんは「この授業を通じてイヌが苦手だった子がそれを克服し、自己肯定感を高めるなどの効果がある。人間とイヌは長い間共生してきたので、他の動物よりもコミュニケーションが取りやすく、身近な存在でもある。動物愛護の気持ちはもちろん、相手に興味を持ち、理解し、思いやりや命の大切さを学ぶのがこのプログラムの狙いだ」と強調する。

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