第2期文化芸術推進基本計画 策定に向けて文化審に諮問

 文化庁の文化審議会は6月28日、今期第2回となる総会を開き、文化芸術基本法に基づき、2023~27年度の5年間にわたる文化芸術施策の総合的な方針を示す第2期文化芸術推進基本計画の策定に関して諮問が行われた。第2期計画では、コロナ禍で深刻な影響を受けた文化芸術活動の回復とともに、芸術教育の充実や国語・日本語教育の振興方策なども盛り込まれる見込み。

諮問を受けて第2期文化芸術推進基本計画の議論に着手した文化審議会(YouTubeで取材)

 第1期計画では、文化芸術が本質的価値と社会的・経済的価値を持っているという視点から、▽文化芸術の創造・発展・継承と教育▽創造的で活力ある社会▽心豊かで多様性のある社会▽地域の文化芸術を推進するプラットフォーム――の4つの目標を実現するための戦略を提示してきた。また、コロナ禍によるイベントや公演の中止・制限で文化芸術団体が疲弊したことや、文化芸術鑑賞・体験機会を確保していくことが課題となっている。

 そこで、第2期に向けた諮問では、ウィズコロナ・ポストコロナを見据えた中長期的な文化芸術の振興方策を柱の一つに据え、文化芸術の担い手となる団体・関係者や活動への支援強化、芸術教育の充実、国立文化施設・博物館の機能強化、文化財を効果的に活用しつつ次の世代に守り伝えていくための方策、国語・日本語教育の振興などを審議する。その上で、社会のデジタル化やグローバル化を視野に入れつつ、文化と経済の好循環を創造するための方策や文化芸術行政の効果的な推進策などの具体像も示す。

 諮問にあたり都倉俊一文化庁長官は、コロナ禍でさまざまな文化芸術活動が縮小せざるを得なかった状況を振り返り、「ポストコロナに向かって、ますます文化芸術の施策をしっかりとさせなければいけない。日本には地域における伝統的な文化財、地域に根差したさまざまな文化、有形無形の文化財や芸術など、魅力のある文化財があふれている。引き続き文化芸術は生きるために不可欠であるという信念の下に、また、日本の素晴らしい魅力を世界に訴えるという意味でも、幅広い人々の心に届くように文化芸術行政に取り組みたい」とあいさつ。

 諮問を受け取った文化審議会会長の佐藤信東京大学名誉教授は「これからウィズコロナ、ポストコロナの文化政策について、しっかり本審議会で審議していくということが求められている。委員の皆さまに積極的にご意見をいただきながら、引き続き、芸術文化活動の振興や文化財の保存活用の充実のほか、日本語教育の推進や著作権制度の整備、国際交流など幅広い分野に取り組んで、文化芸術立国の実現につなげていきたい」と応じた。

 文化審議会では今後、文化政策部会で第2期計画の策定に向けた答申案の議論を行い、今年度中に答申を行う予定。

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