いじめとの関連は否定できず 小6児童自死で再調査報告

 当時小学6年生の児童2人がマンションから飛び降りて自死した問題について、愛知県豊田市は6月29日、再調査報告書を公表した。児童が通っていた学校で起きていたいじめが、自死の直接の原因となったわけではないものの、いじめと自死の関連性を否定することはできないと結論付けた。

 2019年3月12日の夜、市立小学校の6年生だった2人の女子児童が市内のマンションから飛び降りて死亡したこの事案を巡っては、市教委が検討委員会を設置し、事実関係の解明と再発防止策をまとめたが、女子児童らの両親は調査が不十分であるとして調査の継続を希望。豊田市はいじめ防止対策推進法に基づく再調査が必要と判断し、外部の弁護士らによる再調査チームを立ち上げていた。

 再調査チームは当時の同級生や教職員、遺族ら関係者にヒアリングを行うなどし、2人の女子児童が自死に至るまでの経緯を検証。その結果、2人のうち1人の女子児童が、悪口や無視をされるいじめを受けており、もう1人の女子児童はその女子児童ともともと仲が良かったが、特定の児童からその女子児童と話すことを禁じられるなど、女子児童へのいじめについて悩み、自己嫌悪を抱いていた状況が明らかとなった。

 再調査報告書では、年明けごろから2人は「自殺計画」を口にするようになり、そのことを周囲に話すものの本気で受け止められなかったことから「ますます『死』に駆り立てられてしまった可能性は否定できない。この時点で、2人は心理的視野狭窄(きょうさく)の状態に陥っていたのではないかと思われる」と指摘。市教委の検討委員会の報告書では、2人へのいじめを認定しながらも、いじめと自死との関係を認定していなかったが、再調査チームでは、いじめが直接の原因となったものではないが、少なくともいじめがなければ、自死を選択しなかった可能性がある以上、いじめと自死との関連性は否定できないと結論付けた。

 その上で、女子児童の「自殺計画」について、教師は2度にわたって知る機会があったが、本人の態度に切迫感がなかったことや、日頃から保護者に学校のことを話さないでほしいと言われていたことから「大丈夫」という言葉を掛ける以上のアプローチに至らなかったとし、再発防止策として、教職員に対するゲートキーパー研修の機会の提供や、児童生徒への自殺予防教育の充実などを提言した。

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