放課後の課題をこども家庭庁に 厚労省専門委が議論再開

 学童保育などの放課後の子どもの居場所の在り方について検討する、厚労省の社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員会は6月30日、第11回会合をオンラインで開き、今後の放課後の学童保育の待機児童問題や児童館の役割強化などについて協議を開始した。特に児童館の在り方について、同委員会の下にワーキンググループを設置して集中的に議論することで合意した。来年4月1日に発足するこども家庭庁への引き継ぎを視野に、今年度中に同委員会としての議論の経過を取りまとめる予定。

放課後の子どもの居場所の課題について議論を再開した厚労省の専門委員会(YouTubeで取材)

 同委員会では2018年に「中間取りまとめ」を公表して以降、開催されていなかったが、学童保育における放課後の待機児童問題や新型コロナウイルスの感染症対策、第3の居場所としての機能が注目されている児童館の在り方など、新たな論点が浮かび上がってきていることや、こども家庭庁の設置を見据えて、同委員会としての議論を再開することとした。

 この日の会合では、厚労省側から学童保育や児童館の現状についての説明があり、障害のある児童を受け入れている学童保育の増加や、文科省が所管する「放課後子供教室」との一体型を中心とした計画的な整備を進めていく方針、虐待をはじめとする児童館の福祉的課題への対応などについて報告された。

 その上で行われたディスカッションでは、出席した委員から「私どもは学校施設の余裕教室の捉え方に大いに疑問を有している。少人数クラスを実現する関係で余裕教室がほとんどなくなっているというのが、学校施設の利活用が進展しない一つの理由とされているが、なぜ下校後の施設が利活用できないのだろうか。特別教室を含むさまざまな学校施設が放課後の子どもたち、地域住民にさらに利用に供されるべきではないかと思っている」(金藤ふゆ子文教大学人間科学部教授)や「小学校の統廃合をにらんでいく必要性があると思う。さらに中学校の運動部の地域移行もこの先考えられるので、(学童保育と放課後子供教室の)一体型を推進する上で、担い手をどう確保していくのか。(人材の)取り合いになるということが考えられるので、その点についても考えていかなくてはならないと思う」(清水将之淑徳大学短期大学部こども学科准教授)、「教育委員会との連携では、学校施設の余裕教室の活用や放課後子供教室事業においての校庭や体育館の利活用について、われわれも非常に悩み苦しんでいる。連携が進んでいるところはあるが、やっぱり現場の声を聞くと、もう少し学校の施設を使えるといいかなという声が非常に多い」(鈴木克昌東京都調布市子ども生活部児童青少年課課長)など、学校との連携を課題に挙げる意見も多くあった。

 専門委員会では、今年度中に議論をまとめた上で、こども家庭庁に引き継ぐ方針。この日の会合では、新たに「児童館のあり方に関する検討ワーキンググループ」を設置することも決まった。

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