高校入試で部活動をどう評価? 地域移行で見直しも視野

 休日の地域移行が始まろうとしている中学校の部活動。それに伴い、大きな影響が考えられるのが、大会の在り方や高校入試での部活動の実績に関する評価だ。地域スポーツ団体などで活動する生徒が、学校ではなくその団体から大会に出場するケースも今後出てくると、そこでの活動をどう調査書に記載するかも課題になってくる。部活動について研究する神谷拓関西大学教授は「部活動を通じて子どもがどんな課題解決をしてきたのかを評価すべきだ」と指摘し、大会や競技の成績を重視する考え方に対して疑問を投げ掛ける。

 スポーツ庁が6月6日に公表した「運動部活動の地域移行に関する検討会議」の提言では、中学校の運動部活動の休日を中心とした地域移行に向けて、その受け皿づくりや指導者となる人材の確保の具体策を打ち出すとともに、大会の在り方や高校入試への影響についても言及している。

 このうち大会については、全国大会につながるような場合、限られた期間で1位を決めなければならないため、トーナメント方式が主流となっており、競技レベルの高い選手の発掘や競技力向上に寄与してきた一方で、「勝利至上主義」や行き過ぎた指導が生じる一因になっていると指摘。トーナメント方式では半数のチームが1回戦で敗退することや競技力の高い選手がレギュラーとして固定され、他の選手が試合に出場できる機会が失われるなどの課題も挙げ、全国大会の意義や開催回数について主催団体に再考を促している。

 また、提言では地域スポーツ団体などが部活動の地域移行の受け皿となることが想定されているため、全国中学校体育大会を開催している日本中学校体育連盟(中体連)は6月13日、来年度の大会から、スポーツ庁の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」で定められた休養日を守っていることや、その団体が都道府県中体連に加盟または認定されていることなどを条件に、地域スポーツ団体などに所属している中学生も大会参加を認める方針を正式に発表した。地域スポーツ団体などは競技役員や審判、費用面など、大会の運営にも協力することや、団体からは1チームのみの出場とすることなども求めており、中体連ではこうした特例について、今後も継続して検討していくという。

 一方の高校入試についても、提言では「学校部活動に代わり、地域においてスポーツ活動等に参加していく生徒が増えていくことが見込まれることを踏まえ、学校外での活動も含めて、どのように高校入試で評価していくことがふさわしいのかを検討する必要がある」と明記。現状として、部活動の活動歴や大会成績を高校入試でどのように評価し、配点するかは各高校の裁量に委ねられているケースや、中学校が作成する調査書の記述も簡略であることが多く、保護者・生徒にとっては入試で不利になることを恐れて、形式的に運動部活動に入ったり、途中でやめにくかったりしていることにつながっている可能性があるとした。

 実際にどのような形で部活動が高校入試の評価に用いられているかは、都道府県によって違いがある。文科省は毎年定期的に、各都道府県教育委員会に対して公立高校の入試に関する基礎的な調査を行っているが、それによると、昨年度に公立高校に入学した生徒の入試で、内申書に部活動の記載があった場合に、「総合的に判断する際の資料とする」と回答していたのは31道府県、「顕著な成績がある場合は加点する」としたのは2県あったことが分かっている(=表)。「その他」と答えた都府県では、さまざまなケースが考えられるため、かなりばらつきがあるというのが実情のようだ。

各都道府県の高校入試における部活動の評価

 部活動の高校入試での評価について、日本部活動学会会長でもある神谷教授は「入試でも生徒の主体性をより重視して評価するようになっている。部活動を入試で評価するのであれば、競技成績といった表面的なものではなく、部活動を通じて子どもがどんな課題解決をしてきたのかを評価するようにすべきだ」と話す。

 提言では、高校入試でも生徒の個性や能力・適性を多面的に評価することが重要だとして、都道府県教育委員会に検討を求めるよう、国による指導助言を要望していることから、今後、都道府県レベルでどこまで見直しが進むのかが注目される。

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