「さいたまエンジン」始動! 中学生が企業と地域を探究

 中学生が10年後の社会へイノベーションを起こすエンジンになる――。さいたま市教育委員会は7月1日、探究学習のプログラムを開発する「教育と探求社」と連携し、市内の企業5社と中学生がタッグを組んで地域のイノベーションを生み出すプロジェクト「さいたまエンジン」を開始すると発表した。この日開かれたキックオフイベントでは、同プロジェクトを今年度導入する市立中学校などの生徒と、協力する企業の経営者らが出席し、10年後のさいたま市をテーマに意見交換を行った。

「さいたまエンジン」に取り組む中学生と企業の経営者ら。手前中央は細田教育長

 「さいたまエンジン」では、教育と探求社が提供する地域探究プログラム「エンジン」を活用し、今年度は同市立の浦和中学校、大宮国際中等教育学校、岸中学校で今月から実施。2年生を中心に「総合的な学習の時間」などを使って年間15回程度の授業を行う。この中で生徒は地域イノベーターとして、協力している企業の強みや特色を知ったり、地域の魅力や可能性を模索したりしながら、企業に向けてイノベーションプランを企画・提案する。

 キックオフイベントでは、プログラムを実施する3校の生徒の代表と、協力する5社の企業経営者らによる討論の場が設けられた。岸中2年の白水朔太郎さんは、テクノロジーが進化する中で、人々の間で情報格差が広がっていることを問題提起。「全ての人がテクノロジーの進化の恩恵を受けられるようになれば、もっと快適な生活を送ることができると思う。それには性別、年齢、教育レベルにかかわらず、誰もが簡単にテクノロジーを使いこなせる状態になっておく必要があると考え、そんな街にさいたま市がなればいいと思っている。私たちの将来をより良く、快適にするため、私たち自身がエンジンとなり、問題を提起し、解決していければと思っている」と語った。

 協力企業の一つで、不動産の資産運用などを手掛ける武蔵コーポレーションの大谷義武代表取締役社長は「若いうちから社会との接点を持ってほしい。時代は変わっていくので、その時代に即した事業を起こすような人がさいたま市に必要だと思う。そういう社会があるといいなと思っている。そういう話も皆さんとできれば」と、中学生にエールを送った。

 また、「さいたまエンジン」の狙いについて、さいたま市教委の細田眞由美教育長は「中学生がさいたま市や企業を深く知り、探究することで多様な価値観に出合うこと、そして、未来に向けて視野を広げるとともに、企業の皆さまと共にこのさいたま市を日本一ウェルビーイングな街にしていくにはどうしたらいいかと考える、そういう態度を育成したいと考えている。子どもたちに実社会の新しい価値やイノベーションを創造する力と、社会とつながることで自分たちが当事者であるという思いや主体的な態度を育成し、学びにつなげていきたい」と強調。

 教育と探求社の宮地勘司代表取締役社長は「子どもたちも実は未来を考える力がある。子どもたちは未熟な大人ではない。すでに彼らの中に情熱も意志もある。それを大人が抑圧せずに解放させたらすごいことが起こるというのを、これまで私も見てきた。それをさいたま市の企業の皆さまと、協力いただける市民の方々と一緒にやっていこうというのが今回の取り組みだ」と力を込めた。

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