医療的ケア児、特別支援学校に8485人 幼小中高に1783人

 文科省は7月11日、2021年度の「学校における医療的ケアに関する実態調査」の結果を公表した。昨年5月1日時点で特別支援学校に在籍している医療的ケア児の数は8485人(19年度の前回調査では8392人)、幼稚園・小中高校に在籍している数は1783人(同1453人)と、いずれも前回と比べて増加した。看護師・認定特定行為業務従事者の数も増加しているが、幼小中高の学校生活で保護者が付き添いを行っているケースでは、看護師などの配置がされていないことを理由に挙げる割合が高く、不足が生じている実態もうかがえた。

特別支援学校・幼小中高に在籍する医療的ケア児の数(前回調査との比較)

 21年度の医療的ケア児の在籍状況を詳しく見ると、特別支援学校では通学が6482人、訪問教育が2003人。幼小中高では通常の学級が876人、特別支援学級が907人だった。幼小中高を校種別に見ると▽幼稚園 254人▽小学校 1275人(通常の学級506人、特別支援学級769人)▽中学校 201人(通常の学級63人、特別支援学級138人)▽高校(通常の学級53人、訪問教育0人)――だった。

 特別支援学校で実施されている医療的ケアは延べ3万1018件で、喀痰吸引(口腔内)5072件、喀痰吸引(鼻腔内)4905件、経管栄養(胃ろう)4818件などが多かった。幼小中高で実施されている件数は延べ2641件で、導尿524件、血糖値測定・インスリン注射412件、喀痰吸引(気管カニューレ内部)361件などが多かった。

 特別支援学校に通学する医療的ケア児のうち、保護者などが医療的ケアを行うために学校生活や登下校で付き添いを行っている数は3377人(52.1%)。学校生活で付き添いを行っている医療的ケア児(376人)の、付き添いが必要な理由は「看護師や認定特定行為業務従事者はいるが学校・教育委員会が希望しているため」が33.2%で最も多く、他には「主治医からの指示」「健康状態が不安定」などがあった。

 また幼小中高では、通学する医療的ケア児の66.0%に当たる1177人が学校生活や登下校で付き添いを行っており、学校生活で付き添いを行っている医療的ケア児(530人)の付き添いが必要な理由としては、「看護師が配置されていないおよび認定特定行為業務従事者がいないため」が60.5%と最も多く、他には「看護師が対応できない時間などがあるため」「保護者が看護師の配置を希望せず、自身で医療的ケアを行うことを希望しているため」などがあった。

 今回の調査は国公私立の幼稚園(幼稚園型認定こども園含む)9034園、小学校1万9196校、中学校9962校、義務教育学校151校、高校4904校、中等教育学校54校、特別支援学校1156校を対象とし、昨年5月1日現在の医療的ケア児や看護師の数、21年度始業から夏休みまでの保護者の付き添いや通園・通学方法などを尋ねた。

 同調査の「医療的ケア」とは、日常生活および社会生活を営むために恒常的に必要とされる医行為を指し、「医療的ケア児」とは、「看護師・認定特定行為業務従事者・保護者等が医療的ケアを行っている医療的ケア児」と「医療的ケアは医療的ケア児本人が行っているが、看護師が見守りや助言などを行っている医療的ケア児」を対象としており、看護師の見守りや助言などなく自ら医療的ケアを実施している医療的ケア児は含まれていない。

 昨年6月には、医療的ケアが日常的に必要な子供とその家族への支援について、基本理念や国・地方自治体の責務を定めた「医療的ケア児支援法」が成立。学校の設置者は学校に在籍する医療的ケア児に対して適切な支援を行う責務があるとし、保護者が付き添わなくても適切な医療的ケアや支援を受けられるように、看護師などの配置を行うこととされ、自治体がその支援をすることも明記している。

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