休日の文化部活動も25年度末までに地域移行 文化庁が提言案

 中学校の文化部活動の地域移行を議論している文化庁の検討会議が7月12日開かれ、文化庁は席上、これまでの議論を基に、実施主体や利用する文化施設、指導者の確保などの方策をまとめた会議の提言案を初めて示した。運動部の地域移行と足並みをそろえる形で、来年度から25年度末までの3年間を「改革集中期間」と位置付け、全ての都道府県と市町村で、休日の文化部活動の段階的な地域移行に向けた推進計画を策定することを打ち出した。会議では、複数の委員から「移行期間中に生じたトラブルの責任の所在」「自治体や国による会費の負担」などについて提言案に明記するよう求める意見が出された。

文化部の地域移行について、初めての提言案が示された文化庁の検討会議

 提言案では、できるだけ多くの生徒に対して文化芸術等に親しめる機会を確保するため、文化部活動に所属している生徒だけでなく、運動部活動に所属している生徒や、歌や楽器、絵を描くことなどが苦手な生徒、障害のある生徒など、希望する全ての生徒を地域移行後の活動への参加対象に設定。実施主体は、文化芸術団体等に加え、地域の高齢者、NPOなどからなる「地域学校協働本部」、保護者会、同窓会、複数の学校の文化部が統合して設立する団体など、学校と関係する多様な組織・団体を想定している。

 活動場所については、公民館などの社会教育施設や劇場、音楽堂などの文化施設のほかに、施設の数を十分に確保するために、学校の音楽室や美術室などの利用も考えられるとした。多様な団体が円滑に学校施設を利用できるよう、教育委員会や文化芸術団体などからなる協議会を設置し、利用ルールの策定などが必要とした。また地域に開かれた学校施設を一元的に管理するという観点から、地域スポーツ担当部署や各スポーツ団体とも調整することが重要であるとした。

 指導者の確保については、先行して取り組む自治体が行っている、文化芸術団体等と連携した人材バンクや、遠隔地の指導者によるICTを活用した合同練習などの事例を国が資料としてまとめ、提供するとともに、各地方公共団体で実情を踏まえた受け入れ体制の構築を着実に進めていくことが必要とした。指導を希望する教師については、兼職兼業の許可を得ることで地域での指導を可能にするとした一方、本来の業務へ影響が生じないようにするとともに、心身に過重な負担とならないようにする必要があるとした。また、指導を望んでいない教師に、保護者の要望や周囲からの同調圧力により兼職兼業の許可を申請し、従事せざるを得ないような事態が生じることを防がなければならないとした。

 来年度から3年後の25年度末までを改革集中期間と定め、期間中は国および都道府県が、各市町村の進捗(しんちょく)状況を定期的に調査し、課題がある場合は原因や対策などについて指導助言する必要があるとした。

 提言案について、委員からは「移行期間中に外部指導者による指導時間で発生したトラブルや事故などの責任の所在があいまい」「外部指導員の質を確保するために文化庁による認定講座を設ける」「会費について保護者の理解を得るために、国や自治体の役割や負担を明確にする」といった意見が出された。

 会議は、東京都千代田区の霞が関コモンゲートナレッジスクエアで、オンラインも交えて行われた。文化庁は今後、全国知事会や全日本教職員連盟などの関係団体からも意見を聞き、修正・加筆した提言案を、7月25日に行われる第6回会議で示す予定。

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