コロナ第7波、夏休みを迎える学校の留意点を整理 文科省

 新型コロナウイルスの第7波による感染拡大が懸念される中、文科省は7月12日、間もなく夏休みを迎える学校現場の留意点を整理し、都道府県の教育委員会などに事務連絡を出した。中学校や高校の部活動、学校のプールの開放、登校日、熱中症事故の防止、家庭との連携の5項目について注意を喚起し、文科省が改訂を重ねてきた学校衛生管理マニュアルを再度確認して感染症対策に取り組むよう求めた。これに関連し、末松信介文科相は同日の閣議後会見で、マスクの取り扱いについて、「感染拡大を大変気にしているが、それ以上に熱中症によって命を奪われる可能性が高いことに重きを置いている。地域事情もよく見ながら判断いただきたい」と述べ、登下校時や運動部の部活動、体育の授業では熱中症対策を優先してマスクを外すべきだとする従来の考えに改めて理解を求めた。

夏季休業に向けた学校のコロナ対策を説明する末松文科相

 事務連絡では、夏休み期間中のコロナ対策の留意点として、第1に中学校や高校の部活動を挙げた。同一の部活動内でクラスターが起きる事例は、これまで同様、複数報告され続けている。このため、部活動の実施中だけでなく、それ以外の練習場所や部室、更衣室、ロッカールームなど共有エリアの利用時、部活動前後での集団での飲食や移動時などでの感染対策の重要性を改めて強調。大会やコンクールへの参加、練習試合や合同練習、合宿などを行うときにも「主催団体や顧問の教員、部活動指導員だけに委ねることなく、学校として責任をもって感染対策に取り組むことが必要」と明記した。

 第2は、学校のプールの開放。「プールにおいては、水を介した感染リスクは低い」とした上で、「会話や接触による感染リスクを避けるため、大勢で密な状態とならないよう注意が必要」と指摘。手洗い場所や更衣室、休憩スペースなどでも必要な感染対策を講じるよう促した。

 3番目に挙げたのは、登校日の対策。通常の授業日と同じように、登下校時を含め、基本的な感染対策をとることを挙げた。

 第4は、熱中症事故の防止。文科省はこれまでの事務連絡で、熱中症は命に関わる重大な問題だとして、「特に熱中症のリスクが高い」とする体育の授業、運動部活動の活動中、登下校時には、児童生徒に対してマスクを外すよう指導することを求めており、必要な対応をとるよう改めて求めた。

 5番目には、家庭との連携を挙げた。幼児児童生徒の感染経路として「家庭内感染」の割合が高いことから、「感染拡大の防止のためには、各家庭における取り組みが重要」として、保護者に対して理解と協力を呼び掛けるよう、学校現場に対応を促した。

 同日の閣議後会見で質疑に応じた末松文科相は「新型コロナについて、現在、新規感染者数が全国的に上昇傾向に転じている。今後連休や夏季休業を迎える中で、人との接触の機会の増加が予想される。オミクロン株の新たな系統への置き換わりの可能性もあることから、感染者数がさらに増加することを大変懸念している」と、現状を説明。

 その上で「学校現場の皆さんには、引き続き基本的な感染対策の継続と徹底をお願い申し上げたい。(対策を)緩めることなく、手洗いとか、消毒とか、従来通りのことを一層きちんと対応していただきたい」と述べた。

 また、感染対策としてのマスクの着用と熱中症の関係について問われると、「(文科省では)感染拡大を大変気にしている。その中で、特段心配なのは、マスク。着用した方がいいけれども、それ以上に熱中症によって命を奪われるという可能性が高いことに重きを置いている。登下校時、部活動、体育の授業ではマスクを外さないと、新型コロナウイルス感染症によって倒れる前に、熱中症で倒れてしまうのではないか。そこは地域事情もよく見ながら判断をいただきたい」と答えた。

 こうしたマスクの取り扱いを感染状況次第で見直す可能性については「必要なことがあれば、一番正しい方法を再度検討する可能性も、なきにしもあらずである。そうやって柔軟でないといけない。固定的に『これでないと駄目だ』という話は成り立たないと思う」と説明。「命を守ることが一番大事。その辺はご理解いただきたい」と述べた。

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