小学6年生、視力1.0未満半数に 学校保健統計調査

 文科省が7月13日に公表した2021年度「学校保健統計調査」の結果(速報値)によると、視力が1.0未満の小中学生の割合は学年が上がるにつれて増加し、小学6年生では半数超に上ることが分かった。コロナ禍で健康診断の時期が前年と同じく例年より延長されたため、同省は過去の数値と単純比較できないとしているが、「家庭での端末や携帯電話などの利用時間が増えているというデータもあり、近視の進行と近い距離で行う作業の時間が関係しているということが分かってきている。こういった児童・生徒を取り巻く環境の変化が、視力低下の要因となっている可能性があると考えている」との見解を示している。

2021年度学校保健統計調査を発表する文科省総合教育政策局調査企画課

 同調査は国公私立の幼小中高の健康診断結果に基づき、毎年5~17歳までの幼児、児童生徒の発育状態と健康状態を調べている。21年度調査は発育状態で5.3%(69万5600人)、健康状態で25.5%(333万6191人)の子供を抽出・調査した。ただし、前年同様にコロナ禍で、例年4~6月の健康診断の期間を年度末まで延長したため、過去の数値と単純比較することはできないとしている。

 調査結果によると、「裸眼視力が1.0未満」の児童生徒の割合は、▽幼稚園24.81%▽小学校36.87%▽中学校60.28%▽高校64.41%。中学校と高校で前年度より増え、中学校は単純比較できないものの、1979年度の調査開始以来、過去最多となった。小学校では1年生で約4人に1人の23.04%、3年生で約3人に1人の33.39%、6年生で約半数に当たる50.03%と、学年が上がるにつれて顕著に増加している。

 文科省はGIGAスクール構想で児童生徒がタブレット端末を使用する頻度が増えていることを背景に、視力について21年度に詳細な近視実態調査を実施し、小中学生7400人分のデータを分析。22年度も引き続き同調査を実施して、児童・生徒の近視の実態を詳しく調べている。

 衞藤隆東京大学名誉教授(健康教育学)は「長期的な流れの中で視力の低下傾向は続いている。タブレットなどを使った後は遠くを見る、外遊びをするなど対策が必要だ。特に低年齢で近視を発症すると進行が速いとされているので、早めの対策をとってほしい」と呼び掛ける。

 また、肥満度が標準体重より20%以上重い肥満傾向児とされる児童生徒の割合は、小学4年生から中学校でみると、▽小学4年生 10.17%▽小学5年生 10.96%▽小学6年生10.98%▽中学1年生10.90%▽中学2年生 9.70%▽中学3年生9.05%――となり、前年度を上回ったのは中学1年生のみ。前年度は小学4~6年生でそれぞれ11%を超えていたが、21年度は全学年で11%未満だった。

 これについても衞藤名誉教授は「新型コロナウイルスの感染拡大による休校などがあった前年よりも、2021年は学校活動が正常化したため、児童生徒の活動が活発化したことがうかがえる」と分析している。

 また虫歯(う歯)の子どもの割合は、幼稚園26.49%、小学校39.04%、中学校30.38%、高校39.77%。最も割合が高かったのは前年度と同じ小学3年生で46.03%だった。

 衞藤名誉教授は「登校や外遊びを制限されるなど急激な生活環境の変化によって、調査された視力や体格といった項目に現れないところで子供たちに影響を与えている可能性があるので、これからの成長を見守ることが重要だ」としている。

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