物価高騰 困窮家庭に「定期的な現金給付を」NPO提言

 給食がなくなる夏休みを目前に控え、夏休み中の食事に関して不安があると答えた困窮家庭が8割以上に上ることが、子どもの貧困問題に取り組む認定NPO法人「キッズドア」の行ったアンケート調査で分かった。コロナ禍による収入減に加えて、資源価格の上昇や円安による輸入品の値上がりによる物価高騰が、困窮家庭にさらなる追い打ちをかけているとみられる。7月13日にオンラインで報告会を開いた同法人の渡辺由美子理事長は「物価高騰のダメージはものすごく大きい。苦しい人ほどさらに苦しくなる。夏休みはクーラーをつけないか、ご飯を食べないかという選択を迫られる家庭も多い」とし、定期的な現金給付など国のさらなる支援の必要性を強調した。

夏休み中の食事に関して不安があるか

 キッズドアによる「夏の食料支援に関する緊急アンケート」は、同法人が支援する困窮家庭の代表者2634人を対象に6月10~14日に行われ、回答者数は1386人(52.6%)だった。

 アンケート結果によると、「夏休み中の食事に関しての不安はありますか」という質問に、「ある」と答えた人は81%(1119人)に上った。具体的に不安なことを尋ねると、「物価高騰の中、1日中家で過ごす夏休みは光熱費もかさみ、食にお金をかけられない」や「安いものしか買えずバランスの取れた食生活にすることが困難」といった声が寄せられた。「おかずのある食事は1日一度になりそう」や「仕事も見つからない状況が続き、何度も死にたくなった」などの切実なものもあった。

最近のお子さんの食事の状況は?(複数回答)

 また、「最近のお子さんの食事の状況を教えてください(複数回答)」という質問には、「食事の質(栄養バランス)が悪くなった」と答えたのが64%(891人)、「食事のボリューム(量)が減った」と答えたのが60%(835人)と、ともに半数を上回った。また「食事の回数が減った」との答えも10%(132人)あり、物価高騰が困窮家庭の子どもの食事に打撃を与えている現状がうかがえる。

「夏の食料支援に関する緊急アンケート」について、認定NPO法人「キッズドア」が開いた報告会(同法人提供)

 国は物価高騰の緊急対策として、低所得の子育て世代を対象に子ども1人当たり5万円の給付を6月に始めている。7月13日にオンラインで開かれた報告会で、渡辺理事長は給付を評価する一方、「コロナ禍で減った収入が戻っていないこともあり、お金が足りず、食を切り詰めているのが現状。子育て世帯はコロナウイルスで仕事に行けないリスクも高く、最優先でさらなる支援が必要」と述べ、▽困窮家庭に対する定期的な現金給付▽児童手当の増額▽児童手当の対象を高校生がいる世帯にも拡充――などを提言した。

 キッズドアは困窮家庭の児童生徒に対する学習支援や居場所支援のほかに、コロナ禍をきっかけにクラウドファンディングで資金を募る食料支援を一昨年から行っている。現在、夏休み中の食料支援のための資金をクラウドファンディングで募っており、ホームページに設けられた専用フォームから寄付できる。期間は8月31日まで。

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