小学生が挑戦 カードゲームで対話しながらお金の価値を学ぶ

 東京都大田区立相生小学校(山口勝己校長、児童305人)の4年生では、金融経済教育プログラムを活用した授業を、総合的な学習の時間に行っている。子どもたちはカードゲームを用いながら身の回りの「活動」や「もの」に値段を付け、その値段を付けた理由をグループで対話しながら、それぞれが持つ価値観の違いについて学び合う。7月15日には「どんな時、価値が上がる?」をテーマに授業が行われた。

 活用しているのは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と教育と探求社が提供する小学生向けの金融経済教育プログラム「お金の力―VALUE」。これまで子どもたちはグループワーク形式でカードゲームを用いながら、身の回りの「活動」や「もの」の値段を考えたり、自分がどういうものを高いと感じたりするのかについて考えてきた。

カードゲームを使ってお金の価値について考える児童たち

 この日は全6回ある同プログラムの3回目で、授業の冒頭では2種類のカードを使用。「学校から駅までの道端でゴミ拾いをする」「バースデイケーキをつくる」「1時間犬の散歩をする」「1時間赤ちゃんのお守りをする」といった日常の活動に関するカードと、「ファッション誌」や「焼肉食べ放題1人前」「遊園地のチケット」などといった身の回りのものに関するカードに、それぞれ自分が考える値段を付けていった。

 その後、活動に関するカードと、ものに関するカードの値段を比較し、「なぜどちらかを高いと考えたのか?」について、グループで一人一人、意見を話した。授業を行った茂木正浩教諭が「この授業には正解も不正解もない。思ったことは何でも言ってみよう」と促すと、児童らは「1時間も犬の散歩をするのは大変だから、サッカーボールよりも高いと思った」「私は、赤ちゃんはかわいくて大好きだから、1時間お守りするのはそんなに高いお金をもらわなくてもいい」などと、それぞれの考えを話していった。

 続いて、新たに「こんな時は?」という内容が書かれた「状況カード」を加えていく。例えば活動に関するカードが「1時間赤ちゃんのお守りをする」、ものに関するカードが「テレビゲーム」だったグループでは、そこに「利き腕を骨折して使えないとしたら?」という状況カードが加えられた。

 すると子どもたちは「骨折していたら赤ちゃんのお世話をするのが大変になるよね?さっきよりたくさんお金をもらわないとできないかも」「抱っこしなければ、元と同じ値段でもいいかなぁ」などと、状況によって活動やものの値段が変わるかを考えていった。

 こうした一連の活動を何度か繰り返し、子どもたちは「状況カード」によって値段が変わったもの、変わらなかったものを確認。どうして値段が変わったのか、あるいは変わらなかったのかについて、グループで一人ずつ意見を話していった。

 茂木教諭は同プログラムに取り組んだ感想を、「子どもたちの価値観がそれぞれまったく違うことがよく分かり、興味深い」と語る。例えば、活動に関するカードに「結婚式で司会をする」というものがあるが、ある児童は「結婚式はとても喜ばしいから、10円でやる」と考えた。「すてきなドレスを見られるから、もらえるお金は安くていい」という子もいた。一方で「大勢の人の前で話すのは苦手だから、2~3万はもらいたい」という子もいる。茂木教諭は「お金の価値を考えるとともに、お互いの考えの違いを知って、その違いを楽しんでほしい」と話す。

 この日の授業の最後には、「〇〇万円あったら何に使いますか?」「あなたにとってのお金とは?」の2点を、身の回りの大人にインタビューしてくるという宿題が出された。「大人はお金について、どんなことを考えているのか。家族との対話のきっかけにしてほしい」と茂木教諭は児童らに話した。

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