実践して重要性を理解 教員志望の学生がディベート試合

実践して重要性を理解 教員志望の学生がディベート試合
教員志望の学生らが行ったディベート試合
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 教員志望の学生に教育現場におけるディベートの重要性を理解してもらおうと、千葉大学西千葉キャンパスで「ディベート試合」が7月26日、行われた。学生らは高レベル放射性廃棄物の地層処分をテーマに議論。児童生徒らにディベートを指導する手法を実践し、主体的な学びや論理的思考について身をもって学んだ。

 同学教育学部では原子力発電環境整備機構(NUMO)と協力して2012年度から、「高レベル放射性廃棄物の地層処分」を題材にしたディベート授業を行っている。受講する学生はディベート試合に先立ち、約3カ月間、論理の組み立て方や反論の方法といったディベートの技術に加え、NUMO職員など専門家による講義や深地層研究施設の見学を通して、高レベル放射性廃棄物について理解を深めてきた。

 この日の試合のテーマは「日本は高レベル放射性廃棄物の地層処理計画を撤廃し、地上での管理を義務付けるべきである」。「地層処分に比べ時間がかからず、移動のリスクも少ないので、不測の事態が起こる可能性が少ない」(賛成)、「人間の生活環境に影響を及ぼさない地層処分は国際的な認識もあり、地上管理に比べ実現可能性も高い」(反対)といった意見を示し、交互に質問や反論を行った。

 試合終了後、2年生の下須賀咲紀さんは「放射性廃棄物について、実際に自分で調べて学ぶことで、深く理解する経験ができた」とした上で、ディベート指導について「自分がやっていないことを教えるのは難しい。学べてよかった」と話した。1年生の岸広翔さんは「論理の組み立て方とか、反論の際に言えることは早めに言うといった技術を踏まえてから試合ができたのが良かった」と振り返った。

 授業を担当したNPO法人全国教室ディベート連盟理事長も務める藤川大祐教授は、授業の意義について、「子供に論理的な思考や討論を指導できることは、学習指導要領にも入っており重要。保護者の対応にしても、雰囲気づくりだけでは駄目で、論理的に話をしないと進まないことが多くある。ディベートは教員がある程度、持っていてほしいスキル」と説明する。

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