ICT活用が進まない教委や学校に「プッシュ型支援」 文科相

 2022年度全国学力・学習状況調査の結果で、多くの学校でICT端末の活用が進む一方、授業での端末使用の頻度が「月1回未満」と答えた児童生徒が5%超いたことについて、末松信介文科相は7月29日の閣議後会見で、「端末の活用状況には、学校間で格差が見られる。ネットワーク環境とか、研修機会が不足している学校もあるのではないか」と述べ、ICT活用を巡る学校間の格差に問題があるとの見方を示した。その上で、今回の調査結果からICT活用が十分進んでいないとみられる教育委員会や学校に対し、「省内の特命チームが個別にきめ細かなアドバイスをしながら、プッシュ型で伴走支援を行っていきたい」と述べ、文科省から直接ICT活用を働き掛けていく考えを強調した。

記者会見する末松文科相

 末松文科相は、今回の全国学力調査で行われた児童生徒への質問紙調査で、授業で1人1台端末を週1回以上使用している割合が小学生で83.3%、中学生で80.7%と、いずれも8割を超えたことなどを踏まえ、「1人1台端末のICT環境については、多くの自治体で20年度末をもって整備が完了し、21年度から徐々に本格的な活用が始まってきている。多くの学校にとって1人1台端末の活用は、コロナ禍という未曽有の困難に直面をする中で、初めての取り組みであり、手探りで活用が進められてきた。今回の調査結果は、現場の尽力の成果が、一定程度表れていると思う」と評価した。

 一方、授業での端末使用の頻度が月1回未満と答えた割合が小学生で5.1%、中学生で5.2%あり、1人1台端末を使った授業をほとんど受けていないとみられる児童生徒がなお相当数いることについて、「端末の活用状況については、学校間で格差が見られる。中には、ネットワーク環境とか、研修機会が不足している学校もあるのではないかと承知している」と指摘。「各教育委員会においては、今回の調査結果も踏まえ、端末の利活用を進める上での課題を把握・分析し、計画的に教育指導の改善に取り組んでほしい」と述べた。

 こうしたICT活用が遅れている教委や学校への支援策として、端末やネットワークのトラブル対応などをワンストップで都道府県ごとに担う「GIGAスクール運営支援センター」の年度内整備を進めるなど、文科省の取り組みを説明。

 その上で、「今回の調査結果を精査し、活用が十分進んでいないと思われる教育委員会や学校に対しては、省内の特命チームが個別にきめ細かなアドバイスをしながら、プッシュ型で伴走支援を行っていきたい。そういう強い考えを持っている」と力を込めた。

 教委や学校に対するプッシュ型の伴走支援とは、授業での1人1台端末の使用頻度が少ないなど、ICT活用が十分にできていない教委や学校を今回の調査結果から洗い出し、文科省から直接アプローチしてネットワーク環境の不備や研修機会の不足などを改善するためのアドバイスを行うもの。同省では、こうした支援策を通じて、全国全ての学校で1人1台端末の効果的な利活用の実現を目指す、としている。

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