社会保障や保険を自分事に 公民や家庭科の授業で一工夫

 社会保障制度や保険などのリスク管理に関する指導への理解を深めてもらおうと、日本損害保険協会は生命保険文化センターと共催で、教員を対象としたセミナーを開いた。都内でこのほど行われた2回目のセミナーでは、高校の公民科や家庭科での実践事例の発表があり、高校生にとって自分事として捉えにくい社会保障や保険の重要性を身近に感じさせるための一工夫が紹介された。

 同セミナーは今年で17回目を迎え、初の試みとして、家庭科の教員向けと中学校社会科・高校公民科の教員向けにプログラムを分けて実施した。

 家庭科の教員向けに行われたこの日のセミナーでは、成年年齢引き下げに関する家庭科の消費者教育について、東珠実椙山女学園大学教授の基調講演が行われた後、東京都立目黒高校で公民科を担当する加藤春彦教諭と、京都府立洛北高校・附属中学校で家庭科を教える竝川(なみかわ)幸子教諭が実践事例を報告した。

家庭科の教員に向けて、公民科での社会保障教育の実践について講演する加藤教諭(左)

 加藤教諭は、3年生の「政治・経済」で社会保障制度について扱った実践を紹介。厚労省が作成した社会保障教育の教材などを活用し、社会保障制度には国民のライフステージなどに合わせてさまざまな仕組みがあることをイメージさせたり、クイズやペアワークで日本の社会保障制度について考えさせたりすること、自助・共助・公助のバランスについてグループディスカッションなどで生徒自身が自分事として捉え、今後の日本の持続可能な社会保障制度について考察する一連の授業展開を説明した。

 その上で加藤教諭は「公民科の授業ではどうしても制度の話が多くなってしまう。家庭科の先生に、資産形成など個人に寄り添った観点で社会保障について考える機会をつくってもらえると、国全体の視点と個人の視点で考えることができ、生徒の深い学びにつながるのではないか」と、公民科と家庭科の連携の必要性を呼び掛けた。

 竝川教諭は防災教育と絡めて保険について学ぶ授業や、高校の「家庭基礎」で長年実践している、ロールプレーを取り入れた実践について解説。ロールプレーは、クラスの家庭科係の生徒から依頼された生徒らが、例えば「スキー場で突然、大けがをしてしまったら」などの設定された場面や役に応じて演技をし、自分だったらどうするかを想像しやすくする狙いがある。

 竝川教諭は「ロールプレーの一つには、同窓会という設定で、独身の人もいれば、結婚しているけれど子どもがいない人、結婚して子どもがいる人など、さまざまな人生があることを提示して、自分に必要な保険を選んでいくことの大切さを考えさせている」と強調した。

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