感染者や濃厚接触者の復帰、学校への証明書類は必要なし 文科省

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、末松信介文科相は8月2日の閣議後会見で、医療機関の負担軽減に協力するため、感染者や濃厚接触者となった教職員や児童生徒が、学校を休んだり復帰したりするときに、陰性証明など追加の検査結果の提出を求めないよう、都道府県や政令市の教育委員会などに依頼したことを明らかにした。文科省が出した事務連絡によると、教職員や児童生徒が新型コロナウイルスに感染し、自宅などで療養を開始するときにも、医療機関や保健所による検査結果の証明書類は必要ない、としている。

記者会見で質疑に応じる末松文科相

 末松文科相は「新型コロナの新規感染者数が全国的にこれまでで最も高いレベルを更新し続けており、最大限の警戒感を持って注視していく必要がある」と述べ、7月29日に開かれた政府の対策本部で医療機関の逼迫(ひっぱく)を回避するための対応が決定されたことを受け、文科省としても医療機関の負担軽減に協力する考えを説明した。

 これに先立ち、文科省は所管する学校や法人、団体などに対し、医療機関の負担軽減に協力を求める事務連絡を8月1日付で出した。初等中等教育関連では、▽医療機関や保健所からの証明書の取得に対する配慮▽濃厚接触者の待機期間の見直し--の2点を挙げている。

 証明書の取得については、新型コロナウイルスの感染が確認されたり、濃厚接触者として特定されたりした教職員や児童生徒が、療養期間や待機期間を経て学校に出勤、登校するときには「学校に陰性証明を提出する必要はない」と明記。ただ、濃厚接触者の待機期間を短縮するために、抗原検査キットを用いて自分で撮影した画像などで確認することは差し支えない、としている。

 また、教委や学校に対して、新型コロナウイルスに感染した教職員や児童生徒が自宅などで療養を開始する場合についても、「医療機関や保健所が発行する検査結果を証明する書類は必要ない」と説明した。やむを得ず証明を求める必要がある場合であっても、医療機関や保健所が発行する書類ではなく、自分で撮影した検査結果の画像や、厚労省が提供するMy HER-SYS(マイハーシス、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)から取得した療養証明書で確認することを求めている。

 濃厚接触者の待機期間の見直しでは、厚労省の対策本部が7月22日に出した事務連絡で、感染者との最終接触があった「最終曝露日から5日間」を濃厚接触者の待機期間とするとともに、「2日目および3日目の抗原検査キットを用いた検査で陰性を確認した場合は3日目から解除が可能」としたことを説明。一方で、これらの場合には一定の発症リスクが残存することから、「7日間が経過するまで」は、感染リスクの高い場所の利用や会食を避け、マスクを着用するなど「感染対策の徹底」を促した。

 また、事務連絡では、給食時にマスクを着用しないなど感染対策を行わない状態で感染者と会話した場合には出席停止にするとした学校衛生管理マニュアルの記述について、「食事の際に飛沫(ひまつ)が飛ばないよう、机を向かい合わせにしない、大声での会話を控える、といった従来からの対策が講じられていれば、給食時にマスクをせずに会話したことだけで、一律に出席停止の措置を取ることにはならない」との考え方を改めて確認した。

 この記述は今年4月1日の衛生管理マニュアルの改訂で盛り込まれたが、一部の保護者などに「給食の時に、感染者とマスクなしで会話したら出席停止になる」との解釈が広がり、文科省は4月12日にホームページ上のQ&Aで考え方を説明していた。

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