教員未配置、4年前の2.5倍 全教、抜本的な改善求める

 年度当初に定数措置されたにもかかわらず、教員を確保できず未配置となっているケースが、東京都や大阪府など19都道府県4政令市で計477件に上ったことが8月3日、全日本教職員組合(全教)の行った実態調査で分かった。4年前に23都道府県3政令市で行った同じ調査の187件に比べ、約2.5倍に増えた。同日、文科省で会見を開いた全教の山田真平中央執行委員は「(人口など)調査の規模は前回の調査と大きく変わらない」とした上で、「教員不足による教職員の働き方は限界を超えている」と訴え、抜本的な定数改善や、教員が受け持つ授業時間(コマ数)の上限を定めるといった教職員の待遇の改善を求めた。

教員未配置の実態について話す全教の山田真平中央執行委員

 調査は全教に参加する組織を通じ、各教委育委員会や学校に依頼。5月1日時点の数字を調べた。調査結果によると、教職員未配置は1028件。4年前の調査に比べ、361件増加した。学校別の内訳は小学校と中学校で計861件、高校77件、特別支援学校90件だった。定数の欠員以外では、病気や産休などの理由で欠員となった教員の代替者が見つからないケースが全体の約3割に当たる321件に上った。

 学校からは「始業式に仮担任(副担任)で発表したクラスがあった」(小学校)、「通常学級担任の新任が体調を崩して病休に入り、支援学級の担任で補充したため、支援学級が欠員になった」(小学校)など、校内の対応に限界を感じる声が寄せられた。また、「欠員のため、独自の35人学級の実施を見送った」(中学校)のように、学校が理想とする教育体制を諦めざるを得ない現状も浮き彫りになった。

 山田中央執行委員は「教職員未配置への対応は、教職員を探しつつ、校内の限られた人員で何とかせざるを得ない。未配置のまま学校全体で負担しているのが実態であり、教職員の多忙化を深刻にさせている」と訴え、「教員未配置は国が正規教員を抜本的に増員するための『定数改善計画』を策定してこなかったことに加え、(正規教員の定数を複数の臨時的任用教員や非常勤講師で分けあう)『定数崩し』や(正規教員の定数で算出される教職員給与費を、総額の範囲内において、自治体の裁量で非正規教員にも充てられる)『総額裁量制』といった人件費抑制のための政策によって引き起こされている問題」と指摘した。

 その上で、▽義務・高校標準法改正による抜本的な定数改善▽「定数崩し」「総額裁量制」を見直すとともに、教員の人件費などを国が負担する義務教育費国庫負担金について、現状の3分の1から2分の1へ戻す▽全国学力・学習状況調査の悉皆(しっかい)調査を中止するなど管理的・競争的な教育施策の見直し▽教員が受け持つ授業時間(コマ数)の上限を定めたり、職務にかなう給料を保障したりといった教職員の待遇の改善――を求めた。

8 コメント
最新
最も古い
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る

あなたへのお薦め

 
特集