「デジタル時代の教育に必要なのは問題発見力」 平井氏が講演

 日本最大級の教育イベント「未来の先生フォーラム2022」(同実行委員会主催、教育新聞社共催)の4日目に当たる8月4日、情報通信総合研究所特別研究員の平井聡一郎氏が「GIGAスクールで何が変わるのか」をテーマに講演した。平井氏は「デジタル時代の教育に必要なのは問題発見力」などと述べ、今後の児童生徒に必要な資質についての考察を行った。

「未来の先生フォーラム2022」で講演する平井聡一郎氏(Zoomの画面から)

 講演で平井氏は、コロナ禍と学習指導要領の改訂が学校現場でのデジタル化を促進したとして、「日本中で新しい教育を求める動きが始まった」と指摘。児童生徒1人1台のデバイス、クラウド環境、どこでも確実につながる通信環境の3点がそろうことが、GIGAスクール構想を推進していくためには必要だと述べた。

 その上でなぜ今、学校現場は変わらなければいけないのかと問題提起。平井氏は「人生100年時代」が大きなポイントになるとして、ある統計では2007年生まれの子供たちの半分が107歳以上生きるとされ、一つの仕事をしていれば人生を過ごせた時代と違い、マルチな生き方が求められると説明。「そうなった時に学校で学んできた知識は人生の途中で頼れなくなる。だから常に自分のことをアップデートして、新しいものを獲得しなければ生きていけなくなってくる」と述べた。

 また、知識や物事の理解に加えて、自分でさまざまな知識を獲得していこうとする意欲を持ち、獲得するための方法、学び方を知らなければならないと強調。「だからGIGAスクール構想が始まったから変えなければならないということではなく、社会自体が変わったので学びを変えなければならないということだ」と語った。

 さらに、将来的に技術革新をリードする専門職の人材が不足してくるとして、「教育に関係する者は、こういった社会的な背景の変化を理解した上で、子供たちにどんな力をつけるのがよいのかと考えることが求められてくる」とアドバイス。この子供たちが必要となる力については、注意深さやミスがないこと、責任感、真面目さ、信頼、誠実などが大事であった時代と異なり、2050年に向けて問題解決力よりも問題発見力、何が本質的な問題か考えたり見極めたりする能力が大事であると強調した。

 平井氏は今後のGIGAスクール構想に基づく学校教育について、「これまでは小中学校の先生方が、とにかくデバイスを使おうと授業の中に落とし込んでやってきた。ただ、子供たちはもう、タブレットを道具として自由に使いこなすようになってきた。これからは学びの質が問われてくる。子供たちがインプットしたものをアウトプットしたら、必ずフィードバックをするといったサイクルになるような授業が必要だ。先生方はファシリテーターとして授業をコントロールしていくような役割に変わっていくだろう」と語った。

 「未来の先生フォーラム2022」の最終日は7日で、6日と7日のテーマは「多様な教育」。詳しくは特設サイトへ。当日参加も可能で、特設サイトから登録すれば無料で視聴できる。

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