小学校で使われる赤白帽 赤は白より表面温度が10度高く

 小学校の体育の授業や運動会などで使われる「赤白帽」。健康・スポーツに関するデザインを研究している北徹朗・武蔵野美術大学教授の研究室は、炎天下での赤白帽などの表面温度を測定し、白い帽子よりも赤い帽子の方が、表面温度が10度も高くなることを突き止めた。11月6日に開かれる日本教育実践学会で成果を発表する。

「赤白帽」などの表面温度を計測した実験(服部准教授提供)

 学校の授業中における熱中症の発症率は、小学生が26.2%と、中高生に比べて突出して高くなっている。小学生は大人と比べて体内の熱を放散させる機能が未成熟であり、より注意が必要になる。

 そこで、これまでも帽子内部の温湿度変化と運動との関連についての研究をしてきた北教授の研究室では、小学校の体育の授業でチーム分けをする際などによく使われる赤白帽について、色の違いが炎天下での表面温度にどの程度影響を与えるかを実験で明らかにすることにした。

 今年7月22日の午前8時半から午前10時までの間、東京都小平市の武蔵野美術大学のグラウンドで行われた実験では、赤や白以外の色も含め、市販されている小学校の体育向け帽子をかぶせたマネキンを並べ、晴天下での帽子の表面温度の変化をサーモグラフィーで10分ごとに計測。実験中の気温は8時が27.6度、9時が29.1度、10時が30.1度だった。

 いずれの帽子も計測直後から表面温度が急上昇したものの、白い帽子は最高でも47度程度だったのに対し、赤い帽子は57度程度まで上昇するなど、10度ほどの差が開くことが明らかとなった。また、それ以外の色では、黄色やピンクが比較的温度上昇が低く、濃紺やえんじ、青などの濃い色は高くなることも分かった。

 現在、武蔵野美術大学大学院博士後期課程環境形成領域に所属し、この実験を行った服部由季夫・星槎大学准教授は「日本では伝統的に紅白でチーム分けを行ってきたが、近年の気象状況を踏まえれば、赤色にこだわる必要はないのではないか」と問題提起。「桃白帽」や「黄白帽」を活用していく可能性を提案する。

 北教授は「ここ1、2年の異常気象で、涼しいとされていた地域でも40度近い高温になる日がある。そうした環境下で、体育のチーム分けでたまたま赤になったことで、熱中症のリスクが上がってしまうことになる。今後は、安全面に配慮した上で学校現場での実証データなども蓄積し、より安全な帽子を開発していきたい」と話す。

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