学校事故対応指針の改善点 中教審学校安全部会が検討

 中教審初等中等教育分科会の学校安全部会はこのほど、第6回会合をオンラインで開き、文科省が策定している「学校事故対応に関する指針」について、改善点などを関係者からヒアリングした。関係者からは、指針を活用するなどして、教員養成課程で学校安全や学校事故について十分に学ぶ機会を確保することなどが提案された。

学校事故対応指針の改善点について協議した学校安全部会の第6回会合(YouTubeで取材)

 指針は、子どもが亡くなるなどの学校現場での重大事故が相次いだのを受けて、事故後の学校の対応をまとめ、2016年3月に策定。未然防止の取り組みや事故発生直後の応急手当の実施、被害児童生徒の保護者への連絡、学校による3日以内の基本調査の実施と、学校設置者による詳細調査の実施判断、再発防止策の策定や都道府県・国への報告などを定めている。文科省では今年5月に、指針に基づく適切な事故対応について改めて通知し、学校や教育委員会に対して徹底を求めた。

 この日の会合では、部会長代理の藤田大輔・大阪教育大学教授と、埼玉大学教育実践総合センター研究員の桐淵博・日本AED財団理事、日本安全教育学会理事長の戸田芳雄・明海大学客員教授に、指針の見直しに向けたヒアリングを行った。

 学校での重大事故の対応を調査したことがある藤田教授は、指針が策定される背景となった学校の事故対応を巡る現場の課題について解説。「指針やそれに基づく詳細報告書を活用して、教員養成の中で安全カリキュラムの検討を進める必要がある」と指摘した上で、指針の改善点として「事故後は速やかに指導主事やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの支援スタッフの派遣を要請し、被害者や家族に寄り添う体制を構築することの重要性の明記を検討してほしい」と提言した。

 桐淵理事は、学校側には「預かった子どもをそのままの姿で家庭に返す」という視点が不十分であるとし、教員養成課程で学校安全・事故防止の単位取得を必須とし、教職の専門性として位置付ける必要があると強調。AEDの使用に対する自信が、一般の教員は養護教諭や管理職と比べて低いことを挙げ、養護教諭や救急車が駆け付けるまでの数分の間にそばにいる人が救命をする意識やスキルを、教職員だけでなく子どもにも体系的に身に付けていくことの重要性を挙げた。

 栃木県で山岳部の生徒や教員が雪崩に巻き込まれて犠牲となった事故を例に、事故の検証過程を振り返った戸田教授は、指針について管理職や教員だけでなく、保護者にも周知する必要性があると強調。「指針を解説するパンフレットを作成し、保護者に啓発するのも方法ではないか」と提案した。

 同部会では次回会合から、第3次学校安全推進計画の策定に向けた論点整理に着手する。

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