教育改革や少子化にどう臨む 自民党総裁選候補者に本紙アンケート

 あさって9月29日に投票が行われる自民党総裁選に立候補している4人の候補は、教育改革や少子化対策・子育て政策などに、どう取り組もうとしているのか。教育新聞は河野太郎・行政改革担当相、岸田文雄・前政調会長、高市早苗・前総務相、野田聖子・幹事長代行の4人に対し、アンケート調査を実施した。

教育政策などを巡って自民党総裁選候補4人の議論が交わされた政策討論会(9月26日、YouTubeより)

 3人の候補から回答が寄せられ、それぞれが「ICTなどを活用した個別最適な学びを」(岸田氏)、「教育は国家の基本」(高市氏)、「少子化はわが国最大の危機」(野田氏)などと、文書を通して考えを語った。河野氏の事務所からは「党本部から投票行動に影響を及ぼすおそれがあるのでアンケートへの回答は自粛するよう要請があり、答えられない」として、回答が得られなかった。

 候補者へのアンケート調査は文書で実施し、①教育改革への取り組みと教育観について②少子化対策・子育て支援について③こども庁の新設について――の3項目について、それぞれの考えを聞いた。

各候補の回答
教育改革と教育観について

 「教育改革と教育観」について、岸田氏は、小中学校の1人1台端末の整備などを踏まえた「個別最適な学びの確立」を主張。さらに、いじめや自殺などの問題に真正面から取り組む教育現場の実現や、日本の伝統文化を引き継ぎ発展させる当事者意識の育成を掲げた。

 高市氏は、「教育は国家の基本」と強調。家庭と学校がそれぞれの責任を担うことで、日本の課題の多くが解決に向かうと主張するとともに、2006年の「教育基本法」の改正に携わった経験から、その理念の実行への挑戦を続けるとの決意を示した。

 野田氏は、「こどもまんなか」の政策を打ち出し、教育改革や教育投資こそ日本の持続的成長の切り札だとの考えを示した。また、学校ごとの多様性や、多様な学校経営理念の実現を支援する姿勢も示し、「教育費に思い切って予算を投入する」と強調した。

少子化対策・子育て支援について

 「少子化対策・子育て支援」についても、いずれも積極的に予算や制度の拡充などに取り組む姿勢を示した。

 岸田氏は、子ども・家庭に対する公的支出を引き上げて、子どもにより多くの投資を行う必要性を示すとともに、高等教育(大学)への教育費支援の取り組み強化や、保育の受け皿整備、幼保小連携の強化、学童保育制度の拡充を掲げている。

 高市氏は、「子育てと仕事を両立できる環境づくりを早急に進めなければならない」と強調。待機児童の減少や病児保育の拡充などに取り組むとともに、ベビーシッターや家政士の利用で、代金の一定割合を税額控除の対象にするとの考えを示した。

 野田氏は、少子化と人口減少は「わが国にとって最大の危機」とし、子ども中心に全政策を作り替えるつもりで臨むと強調。若い世代の働きやすい環境づくりに向けて所得増の取り組みや、出産・育児へのサポート、障害のある子どもへの支援を打ち出している。

こども庁の新設について

 「こども庁の新設」については、岸田氏と野田氏が「こども庁」という文言を使用しているのに対し、高市氏は「新たな組織の存在は必要」という表現にとどまり、温度差が表れる形となった。

 岸田氏は「子ども行政に横串をさし、子どもをど真ん中に据えた行政を実現するとともに、子ども・家庭への公的支出を世界標準にまで高める必要がある」とし、そのためにもこども庁の議論を継続し、実現する必要があると主張した。

 高市氏は、厚労省と文科省、さらに法務省など、子ども関連の政策が複数省庁にまたがっている課題を指摘した上で、「子育て世代や子ども・若者への予算と人員の拡充には、一体的な権限を持ち、法律を新たに提出できる組織の存在は必要」との考えを示した。

 野田氏は、首相に就任したらすぐに「こども庁」設置を指示し、必要な法改正に着手すると明言。使命感をもって仕事に当たる優秀な人材を集めるとともに、地方との人材交流も活発化し、「子どもたちの育ち・学び・笑顔を応援する体制を整備する」と強調している。

特集