子どもの自転車事故 警察と連携し徹底防止を

昨年、自転車が関係する交通事故は全体の約2割を占め、これらに関与した自転車運転者の6割以上に何らかの法令違反が認められた(警察庁の統計)。とかく見過ごされがちな、自転車による事故。最近では通学時などでの小・中・高校生などに係る事故が目立ち、深刻な事態となっている。

 この事態を重視した文科省は、警察庁からの協力要請もあり、各府県教委などを通じて、子どもたちの自転車の事故防止に向けて積極的に乗り出し、今年に入って2つの大きな動きがあった。

 1つは、道交法一部改正に伴う「自転車の運転による交通の危険を防止するための講習制度」に関する規定の施行(6月1日)。自転車利用に当たってのルール順守に重点を置いた取り組みを促進し、小・中・高校生などに講習制度の周知を図り、その趣旨を踏まえた交通安全教育を推進しようというもの。もう1つは「自転車指導警告票の情報を活用した交通安全教育」の推進依頼(8月31日)。この警告票による警告は、警察が自転車の交通違反に対し、交通切符を適用した検挙措置をとらない場合、その行為が道交法違反で刑罰の対象となることを自転車運転者に認識させるとともに、「車両」として自転車が従うべき基本的な交通ルールなどを指導するもの。

 同省では、各都道府県教委などに対し、これらの措置の趣旨徹底と学校における自転車の安全教育の推進を促している。

 指導が難しいとされる小学生の事例から自転車の安全対策をみると――。

 警視庁から発表された「小学生の交通人身事故発生状況」(平成26年中)によると、小学校1~2年生の交通事故は、歩行中の発生が多くを占めているが、3年生からは自転車乗車中の事故のほうが多くなる。交通事故の中で自転車事故が占める割合は3年生約58%、4年生約68%、5年生約71%、6年生約83%。事故の発生状況は「出会い頭」が約7割で、左折時、右折時にも事故が発生しやすい。成長とともに、自転車に乗るために必要な運転技術はしっかりしてくるが、慣れによる油断が事故の原因になる。

 小学生の自転車事故のパターンの事例には、次のものがある。

 ▽安全確認不足、スピードの出し過ぎによる事故=左右の確認をせずに交差点に飛び出し、車と接触しそうになった(小2男子)、坂道を下っていたら、侵入防止の石柱に激突し腕を骨折した(小6男子)▽車輪の巻き込みによる事故=自転車に傘を引っ掛けて走行中、傘が車輪に挟まって転倒(小5男子)、走行時の振動で前かごの荷物のひもが垂れ下がり、前輪に巻き付いて転倒(小2男子)▽部品の不具合・整備不足による事故=ブレーキをかけたら、いきなりワイヤが切れて転倒(小2男子)、自転車が突然パンクし、制御不能になって転倒(小3女子)。

 このように、自転車に係る事故原因は身の回りに潜んでおり、危険がいっぱいである。

 中教審安全部会の会合で、ある委員は、「教員が『13歳以上の自転車は車道の左側を通行する』といった交通ルールを知らない。教員も教員養成課程で自転車運転について教育を受けておらず、これでは、生徒に対して適切な教育を行うことは難しい」などと述べていた。

 児童生徒の自転車の事故防止は、学校・教職員の交通安全に対する正しい理解の上に立ち、警察など外部の人たちの協力や連携を推進することが重要である。