学び続ける教員 日常の校内研に工夫を尽くす

秋は多くの学校で、校内研究の成果を公開する研究発表会が開催されている。発表会では、研究の成果を公開授業や研究内容の発表などによって行っているが、公開授業に参加した教員同士の交流の場が、時間の関係からか、設けられることは少ない。

 いじめや不登校など学校が当面する課題への対応として研究発表会に参加し、自校の取り組みを改善する参考とすることはできるが、学力向上を図る教科等の授業改善に関しては、研究校の教員と参会者との交流の場がぜひ欲しい。教員の教科等の指導力向上は、授業実践を通して行われるものである。研究校の授業研究の成果を参会者に伝えられれば、教員の資質向上に資することになり、伝えることで研究は継続され、学校の研究活動の意義は一層高まる。

 教員の資質向上に関して中教審教員養成部会は、「これからの学校教育を担う教員の資質向上について(中間まとめ)」(平成27年7月)を公表しており、今秋以降、教員の養成・採用・研修についての具体的な制度設計に関する審議に取りかかるとのことである。

 教員が当面している課題としては、子どもたちの学ぶ意欲や規範意識・自律心の低下、社会性の不足、いじめや不登校など課題の複雑化、多様化とともにLD、ADHDや高機能自閉症などの子どもへの支援等があげられる。さらに教職経験の少ない教員の急増への対処などが、学校関係者に大きくのしかかっている。知識基盤社会、生涯学習社会の到来など、学校環境の急激な変化は、学校関係者、特に教員にとっては、これまでの教職経験を通して培われてきた資質・能力では対応しきれない状況におかれ、戸惑いを感じている。

 中教審教員養成部会(中間まとめ)では、こうした現状への対応とともに将来の教員の資質向上にいかに取り組むべきか、教員の養成から採用、研修の一体的な改革に関して、さまざまな提言を行っている。例えば、これからの教員に求められる資質・能力として、従前のような知の伝達機能ではなく、教員自身が「思考力・判断力、表現力、主体的に学ぶ力」とともに「他者とコミュニケートする力」を身に付けることを指摘し、これからの教員には「学び続ける教員」へのこだわりが重要としている。

 そのため教員には、子どもの認知や行動、自然や社会認知の発達の過程、あるいはアクティブ・ラーニング等の新しい教育方法などについて教育学や心理学、脳科学などの最新の科学や学問の動向に留意すべきであるとし、教職の道を歩む上で必要とする知識や技能を意欲的に身に付けようとする主体的な教員像を描いている。ここでの指摘は、現職教員にとっても重要であるのは理解できるが、いきなり最先端の教育科学等をマスターするのは現状では難しい。しかし、教員に求められる機能、子どもや社会の変化に適切に対応できる資質能力を身に付けることは、学校関係者にとっても最重要課題であり、時間的な猶予もない。

 こうした状況の改善を図るには、学校管理職の強い指導力による校内の日常的な研修を充実させる以外に道はない。全教職員が一堂に会しての研修が無理であれば、時間割の弾力的な運用を図り、小学校では低・中・高学年のグループ、中学校では学年単位でのミニ研修会を週に1回は実施するなどの工夫は可能である。

 教育界の動きには、急なものがある。変化に適切に対応した学校運営、特に校内研修の充実に向けた学校管理職の積極的・主体的な取り組みを求める。