連携・協働の時代 パートナーシップで学校教育を

今後の学校教育は、従来の「地域による学校支援」から「地域と学校の連携・協働」に向けて大きく舵を切ることになった。今年4月、下村博文文科相(当時)は「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方について」を諮問。これを受けた中教審の「地域とともにある学校の在り方に関する作業部会」と「学校地域協働部会」は、10月26日の合同会議でまとめた答申素案で、その全容を明らかにした。


 諮問で求められた具体的な審議内容は、主に、(1)新しい時代の教育や地方創生を実現するために求められる今後のコミュニティ・スクールの在り方(2)学校と地域がパートナーとなり、連携・協働体制を築くための地域人材の養成――である。


 このうち、学校と地域の連携・協働体制の構築について答申素案では、「今後、国全体として、各地域を支援しつつ、目指すべき整備の方向性は、第一に地域と学校がパートナーとして、共に子どもを育て、そのことを通じて共にこれからの地域を創るという理念に立つことである。『支援』を超えて、『協働』に向かうことを目指す」「第二に、活動やコーディネート機能のつながりを深めることが重要である。地域によっては、すでに授業への地域人材の協力、放課後の教育活動、土曜学習などを複数のコーディネーターが手分けしながら一体の組織で企画・実施している例がある」などとしている。


 こうした現状を踏まえ答申素案では、従来の「支援」体制から新たな「連携・協働」体制へと大きく枠組みを変えて推進する「地域学校協働本部(仮称)」(小学校区の設置を想定)を提唱した。


 同本部の定義づけについては、「社会教育のフィールドにおいて地域の人々や団体により、『緩やかなネットワーク』を形成した任意性の高い体制。地域の実情に応じて活動内容を選択して実施」するもので、(1)コーディネート機能の充実(2)より多くの活動する地域住民(ボランティア)(3)継続的な活動の実施――を掲げている。具体的な活動内容は、学校支援活動、放課後子ども教室、家庭教育支援活動、地域社会における地域活動、学びによるまちづくりなどである。


 この日の両部会での審議も、この「地域学校協働本部(仮称)」の設置をめぐり多くの時間が費やされた。委員からは、同本部の設置を支持する意見が多数を占めたが、「約10年間、学校支援地域本部の仕事を続けてきた自治体もある。地域学校協働本部と両輪で実施するという考えはできないものか」「新しい実施本部は、ボランティアに頼りすぎないか。もっと組織内容を明確にすべきだ。公民館や社会教育施設の人たちの協力も重要だ」「コーディネーターの法的位置付けを考える必要がある」などの意見があった。


 これ以外に注目すべき意見としては、「学校が地域間の課題に対応できなくなっていることは確かだ。地域・学校間、さらに学校間の連携が必要だ。そのためにも、地域学校協働本部の責任者の役割は重要になってくる。あくまでも学校が最終的な責任をとる体制が必要になってくるのではないか」という発言があった。


 その通りで、同本部の責任者は、学校教育のマネジメントに精通した教育関係者、特に校長経験者を充てることを求めたい。そのことが同本部による各種事業が円滑に機能し、新しい学校教育の推進に寄与することになるのではないか。