専門能力スタッフ 教員は本来の業務に傾注を

学校が抱える課題は、生徒指導上の課題や特別支援教育の充実など、より複雑化・困難化し、心理や福祉など教育以外の高い専門性が求められるような事案も増えてきており、教員だけで対応することが、質的な面でも量的な面でも難しくなってきている――。

 この文章は、中教審の「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」(主査・小川正人放送大学教養学部教授)が11月4日の会議で審議した答申素案による。、教員以外の専門能力スタッフとして、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、医療的ケアを行う看護師、特別支援教育支援員、就職支援コーディネーター、ICT支援員、部活動外部指導員、学校司書、外国語指導助手などの整備が、今後の学校教育推進に不可欠であることを指摘したものだ。

 その上で、具体的な改善方策として素案では、「これからの教育は、主体的・協働的な学習やカリキュラム・マネジメントの取り組みが必要となる」とし、そのためには「教員の業務を見直し、教員でなければできない業務に可能な限り専念することができるような体制を整備することが必要である」として、教職員の業務の分類例を、次のように示している。

 ○教員が行うことが期待されている本来的な業務=授業、授業準備、教育課程の編成、補習指導、生徒指導、学校行事、成績処理、学年・学級経営、進路指導、学習指導、学習評価。

 ○教員以外の職員が行うことが効果的な業務=事務業務、学校図書館業務、学校ICT業務。

 ○教員以外の専門スタッフなどが担ったり、関わったりすることで、より効果を上げることができる業務=カウンセリング、部活動指導、外国語指導、教員以外の知見を入れて、より効果を上げることで学びが豊かになる教育(キャリア教育など)、地域との連携推進、保護者対応。

 ○多様な経験などを有する地域人材などが担うべき業務=指導補助業務。

 文科省の教員の勤務実態調査では、教諭の1日当たりの勤務時間(勤務日)は10時間22分(うち残業時間1時間43分)。このうち、児童生徒に直接的にかかわる業務(授業、補習指導、生徒指導、部活動など)は5時間59分。児童生徒の指導に間接的にかかわる業務(授業準備、成績処理、ホームルーム、連絡帳の確認など)は2時間2分。学校の運営にかかわる業務、その他の業務(学校経営、会議・打ち合わせ、事務・報告書作成、研修など)は2時間6分。外部対応(保護者・PTA対応、行政・関係団体対応など)は12分だった。

 またOECDの「国際教員指導環境調査(TALIS2013)」で、教員の1週間当たりの勤務時間は、日本が最長の53・9時間(参加国平均38・3時間)である。

 この教員の勤務実態からみて、現実の教員生活は多岐にわたる業務を担い、それが処理できずに戸惑い、苦しんでいるといったら言い過ぎだろうか。その実態を改善し、教員本来の業務を遂行するために、教職員や専門能力スタッフがその役割を十分に発揮できるような「チーム学校」の体制の構築を目指してほしいものだ。

 この日の会議で、多くの委員から専門能力のスタッフ問題が取り上げられ、特に、校長のマネジメント能力や意識改革を求める意見が出された。