2012年1月9日号掲載 東日本大震災で、ボランティアや募金など被災地に何らかの形で主体的にかかわった高校生は5人に1人おり、震災を経て「お互いに助け合って生きることの大切さを強く感じるようになった」との回答は6割強だった――。  これは、ベネッセ教育研究開発センターが昨年9月9日から12日にかけて、インターネットを介して実施した「高校生と保護者の学習・進路に関する意識調査―震災の影響」で明らかになった現代高校生の姿。  調査は、高校1~3年生とその母親4647組を対象に行われ、「震災の影響」については関連の設問に「答えたくない」とした高校生83人を除いた4564人から回答を得た。  それによれば、高校生の内、「家族・友人が被災した」と回答したのは13・5%。北海道から九州沖縄までの8地区で15・4~26・5%、平均でほぼ5人に1人弱にあたる19・7%が、ボランティア活動や募金、物資送付などによって「被災地と主体的にかかわりをもった」とした。  調査時点で大震災からほぼ半年が経過していたが、この影響による自分自身の変化はどうか尋ねると、全体では63・8%が「お互いに助け合って生きることの大切さを強く感じるようになった」と回答。家族・友人に被災者がいる高校生ではこれが74・6%、被災地と主体的にかかわった場合では76・6%と高くなっていた。また「どんな厳しい状況でも生き抜く力が必要だと思うようになった」は、同順で63・7%、69・2%、74・4%。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

 2012年1月1日号掲載 全員参加で協議し合う活力ある校内授業研修の実現に向けて、ワークショップ(WS)を取り入れた校内研修が各地で進みつつある。一方で、「意見は数多く出るが視点が拡散しがち」「多くの意見がなかなか授業改善に結び付かない」などの課題も浮き彫りとなり、それらの克服がWS型の研修を次のステップに進める上で大きな課題となっている。そこで、あらゆる形態のWS型協議に長年取り組む中で、独自のWS型校内研究体制を構築し、成果を挙げてきた西留安雄前東京都東村山市立大岱小学校長に、授業改善を実現するためのWSへの視点や知恵を聞いた――。  ――WS型研修にも多様な形態があります。それぞれの特性や課題は。  昨春まで校長を務めていた東京都東村山市立大岱小学校では、児童の学力向上に向けて、従来の校内研究を根底から見直しました。従来型の多くの校内研究では、授業者が実践の良い点や課題点を説明した上で、校長、講師が講評するという一方通行の流れで、さらに、参観教員の意見も限られた人や内容に留まる例が多かったと思います。そんな流れを変え、「全教員参加型」の校内研修を目指す中で、「ワークショップ(WS)型」校内研修に着目しました。  しかし、WSによる校内研修にも、様々な進め方があり、WSで多くの教員の意見が出るようになった一方、それが必ずしも授業改善につながっていかないという課題にも直面しました。  例えば、WSの方法の1つに「概念化シート方式」があります。これは、縦軸に「成果(プラス)」と「課題(マイナス)」、横軸に「教師」と「子ども」という図式で、協議者の意見を集約し分類化するものです。そのほか、指導案に沿った授業展開を見つめ、成果と課題を色別の付箋につづって集約、分類する「指導案拡大方式」や、授業展開に沿って、教員の指導や子どもの学習状況などを見つめ、成果や課題を集約、分類していく「時系列方式」など、数多くの方法があります。WS型研修を取り入れている学校では、いずれかを目にし、経験していることと思います。  私は、これらの方法を長年をかけて一通り試した上で、それぞれの長短を見いだしました。しかし、結論としては、どの方法を用いても、授業の成果と課題は分析・明確化できても、肝心の授業改善策を見いだすことが困難だという問題が見えたのです。  授業の成果をしっかり確認した上で課題と改善策を吟味する流れは、授業者の励みにもなるため理想的ではあります。しかし、現在の学校現場の多忙を考えると、限られた時間内で、子どもを見据えた具体的な授業改善策を見いだす研修が何よりも大切でしょう。そのため、成果と課題という授業分析で終わるのではなく、課題をもとに、授業改善をどう実現するかを協議するWSの流れがとても重要だと考えます。  ――授業改善を実現するWS型研修の視点と進め方にアドバイスを。  大岱小学校では校長として、一連のWSの課題を意識し、授業の課題に着目しながら改善点を見いだす流れを重視したWS型研究協議会を模索し、形にしてきました。  研修の進行としては、授業者が事前に授業の見所を参観教員に短い時間で説明し、参観者は具体的な視点をもとに授業を見つめます。授業後、即座に30分という短時間のWS協議で全教員から「授業改善策」を提示してもらい、検討することで、次の「具体的な改善点」を意識した授業のブラッシュアップ・サイクルを作り出しています。  このWSでは、若手教員をあえてコーディネーターにし、ぞれぞれの授業と提案された改善策の分類・整理などを行わせる中で、授業を見る目や指導力の鍛錬にもつなげています。  「鉄は熱いうちに打て」を重視し、授業後即の協議で具体的な改善方法を見いだす研修の流れを「DCAPサイクル」と題し、独自の「大岱小式」として確立・展開する中で、授業改善と学力向上を実現してきました。  さらに、これらの効率的な研修体制によって、教員がクラスの一人ひとりの子どもたちと密にふれあう時間も生み出しています。教員として最も大事な子どもとしっかりかかわり合い、見つめる時間を確保し、そこから指導と教材研究の目を養えるようにしたいと思ったからです。  大岱小学校では、これらの校内研修体制を、学校全体の経営マネジメントの中にきちんと位置づけるようにしています。具体的には、子どもたちが自立し、学び合う中で確かな学力を育んでいく力を最大の教育目標にし、全教育活動を支える最もベースとなる学力として「言語力」「学び合う力」「振り返る力」を定めました。研修ではこの3点の力を常に見据えながら、教科・領域のねらいに迫れたかを考える授業協議としています。  さらに、一連の教育視点を押さえながら授業力を高めるポイントを載せた「プロフェッショナル・ティーチャーズノート」や、子どもが自立的に学ぶ力を高める上で参考にする「教科別・まなブック」などを作成し、活用することで、WS校内研修や教員の授業向上を一層効果的にしています。  その際、研修や教材のネーミングについても大変気を遣い、目的を意識させるようにしたことも加えておきます。  ――WSのステップアップに向けた他校へのアドバイスを。  まず、WS型研修の流れを全教員が経験する中で、「成果と課題」分析に留まりがちな従来の方法の現状や課題を共有し合えば良いのではないかと思います。全員が従来のWS展開の問題点に気づき、実感する中で、授業改善策を見いだしていくための工夫と方策を、本気で考えることが重要だと思います。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

 2012年1月1日号掲載 PISAなどの国際的な学力調査の結果を受けて、学んだ内容をどう活用するか、その力をどのように育むかが求められている。こうしたPISA型学力の育成に対応するために、文科省の研究開発学校ではどのような実践研究が行われているのだろうか。  指定校のうち、仙台市立七北田小学校では「地域共生科」を教科として確立させ、これからの社会を生き抜く力の育成の取り組みを進めた。広島大学附属福山中・高等学校では「よりよい解決に向けて複眼的に思考し、より深く考えるクリティカルシンキング」を柱に据えた中・高校の系統的なカリキュラムを開発する実践研究に取り組んだ。上越教育大学附属中学校は、基礎教科で学んだ知識および技能を活用し、実生活や実社会とのかかわりの深い内容について探究的な学習を実施した。3校はPISA型学力にも対応した学習指導要領が目指す知・徳・体のバランスのとれた力である「生きる力」を育成する教育課程の編成・実施を進めた。さらに、教科の創設など、各校独自の教育課程の編成に工夫点が見られた。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

 2012年1月1日号掲載 昨春、小学校での新学習指導要領全面実施とともに本格的にスタートした外国語活動。先駆的な研究実践や先行実施はされてきたが、新たな教育活動として約1年が経過する中で、全国の小学校では授業づくりへの試行錯誤や悩みは、まだまだ尽きない。そこで、これまでの授業の振り返りや今後の改善策に役立つように、長年、外国語活動の充実や教育現場に寄り添う授業サポートを続けてきた吉村博与東京都荒川区英語教育アドバイザー(元千葉県習志野市立大久保小学校長)に、1年間の実践の感想と課題、さらなる改善や今後の展望などを聞いた。  ――外国語活動を巡るこれまでの取り組みの感想と課題を。  授業やカリキュラムのサポートを行っている東京都荒川区の小学校や、千葉県、東京都葛飾区・江東区内などでの経験を軸に話します。  まず良かった点を挙げると、新学習指導要領への移行期間から続いた各自治体の悉皆研修などで、5・6年生の担任だけでなく、全教員が外国語活動の概要に触れることになり、全校で取り組む外国語活動への素地が育まれていることです。  また外国語活動の目標に基づき、各種の活動内容を盛り込んだ「英語ノート」が作成・配布されたことで、多くの教員が指導の一定の型や流れを見いだせました。そのことが、指導の基本的な安心感につながっていると感じます。  さらに、同ノートの付属資料は、電子黒板などを使うことで、チャンツや写真など教材を事前に準備するのに時間をかけなくても、即座に提示できる利点があるのは良いことです。  そのほか、実践に役立つアイデアを盛り込んだ書籍が多数出版され、様々な団体の主催するワークショップも頻繁に開催されるようになり、勉強の機会が増えました。研究者などからの多様な指導サポートも増え、協働の輪も広まっています。  この期間に、真摯に外国語活動に取り組もうとする教員の創意工夫ある授業や実践発表に触れる機会も増えたと感じます。  一方、気になることは、外国語活動が登場した当時のわくわく感や熱気が少し冷めたような感があります。これは「英語ノート」ができたことによる安心感からくるのだと思います。さらに、各地の研究校の減少をはじめ、全校研修が実施しづらくなったり、ALTや外部講師に指導が丸投げされたり、という実状も聞きます。  これは、必修化で外国語活動が5・6年生だけの問題になりがちなことや、英語ノート、拠点校の廃止などからくる先行き不安などが原因とも考えられます。また研修によっては、内容や講師の指導が現場のニーズに合っていないという現場の声を聞くこともあります。  「英語ノート」については、担任の強力な味方である一方、初めての担任にはこなしきれない、教員が同ノートに頼りきりになって創意工夫が減少する、子どもが受け身になりがちなどの課題も感じます。個々の教員が子どもの実態と教育目標を見つめながら、活動を適切に選び取って活動内容や授業を組み立てるという視点が必要です。  ――これからの展望と改善点を。  外国語活動の実施を決め、学校(担任)に実践を任せた以上は、現場の教員の可能性を信じて、長い目で見守ってほしいと切に願います。新たな取り組みである以上、不安を持つのは当然です。小さな失敗や勇み足を過剰に非難するのではなく、教員を励まし、改善につながる手立て、サポートを大事にしてほしいと思います。  現場の先生方に対しては、これまで積み上げてきた他教科・領域での実践を生かし、「怖がりすぎず、甘くも見ず」の姿勢で、自分なりの授業内容を考え、工夫しながら徐々に指導力を身に付けてほしいと思います。「実践しつつ学ぶ」ことが大切です。  さらに、学校や教員には、子ども、保護者に対して外国語活動の実践やその意味について、自分なりの言葉で説明できるようになってほしいと思います。そのことは、自分の実践を深く見つめ直すことにもつながります。そして、外国語活動だけを見るのではなく、各校の教育目標、研究テーマ、多様な教育活動との関連性も意識し、相互の教育が結び合う実践になるようにしてください。  改めて、良い授業づくりへの確認点を参考に挙げます。  まずは、英語ノート、指導資料などを参考にして、授業の基本的な流れ、歌、ゲームなどの活動を覚え、次に、基本となる英語表現を実際に口に出しながら身に付けましょう。授業内で子どもの気持ちの動きをよく見つめることが大切です。簡単な指導案を蓄積し、指導の改善に生かせるようにしましょう。  そして、基本的な活動の型に慣れたら、クラスの子どもたちの状況や嗜好に応じた活動バリエーションを考えてみましょう。自分なりの得意な活動を見いだすのも楽しいことです。例えば、英語ノートの内容に加えて、“Brown Bear”などの絵本を使う物語や歌を授業に組み込むと、子どもたちの聞く力を育て、意欲的に英語のコミュニケーションを楽しむ活動につながりやすくお薦めです。バリエーションとして、ストーリーの予測を交えたゲームなどで英語の発音への慣れや会話を楽しみながら積み重ねることができると思います。  私が授業サポートをしている東京都荒川区立第六瑞光小学校では、朝の読書活動に取り入れたり、6年生が下級生にお話を読んであげたりする活動もしています。  授業の改善・充実のためには、校内研修のあり方も重要です。外国語活動を5・6年生の担任だけのものとせず、他の教員の不安感を除くためにも、ぜひ授業研究を実施してほしいと思います。その際、各校の教育目標も視野に、外国語活動を全体の教育活動の中に位置づけることが大切です。  そのほか、ALT、外部講師など、授業援助をしてくださる学外支援者が増え、感謝する一方で、外国語活動の目標や、担任の指導サポートという役割が十分に理解されておらず、授業運営に混乱を生じるケースも無いとはいえません。  外国語活動は「担任が指導の主役」です。学外支援者はあくまでも指導の“サポート役”という立場で、外国語活動や各学校の教育を理解していただき、「共に創っていこう」という姿勢で、担任教員の指導に有効な手助けやアイデア提供などに力を貸すようにしていただけると幸いです。  またせっかく慣れた英語ノートや実践をリードする拠点校の廃止などによって、学校現場では、外国語活動の先行き自体に不安が募っていることを教育行政の皆さんには重く受け止めていただきたいと思います。これまで学校が積み上げてきた実践への努力をしっかりと受け止め、「コミュニケーション能力の素地」などを謳った外国語活動の目標や実践への指針を、さらに明確に具体的に示していただきたいと感じています。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

 2011年12月22日号掲載 公益財団法人パナソニック教育財団平成23年度第37回実践研究助成を受けた佐賀県教育センター(坂本武敏所長)では、「ICTを活用した不登校児童生徒の一人ひとりの学びや認知の特性に応じた生活・学習支援の研究」に取り組んでいる。不登校児童生徒への対応は心理的安定がまず求められる。同センターでの学校適応指導教室「しいの木」では、児童生徒の心の安定のために、タブレットPCなどを使った児童生徒やスタッフ間での話題の共有、読み書きなどの学習活動の円滑な実施、活動の様子をブログで公開する自己表現活動などで効果的にICTを活用している。今後は、適応指導教室に通うことが難しい児童生徒へのメール等での支援や教室通級生の学校復帰に向けた在籍校行事等を同時通信した動画視聴での参加を進めていく。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

 2011年12月22日号掲載 文科省の学校運営の改善のあり方に関する調査研究協力者会議・学校評価のあり方に関するワーキンググループ(WG)が12月13日に省内で開かれ、取りまとめ素案が検討された。  素案では、学校評価の課題について、努力義務が課されている学校関係者評価が81%の公立学校で実施され、一定の普及が図られてきたとした上で、取り組みが形式的で実効性が高まっていないとした。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

 2011年12月22日号掲載 中教審教育振興基本計画部会(部会長・三村明夫新日本製鐵(株)代表取締役会長)が12月9日に開かれた。初等中等教育分科会等での第2期教育振興基本計画についての審議状況が報告されたほか、今後の検討にあたっての「基本的な考え方」(案)が了承された。初等中等教育分科会の審議経過の報告では、高校段階での教育について、学力等のデータを整備し、これまでの教育課程の多様化施策が高校生のニーズに合致したものであったかなどの議論と検証が必要とされた。今後、各分科会等では「基本的な考え方」に基づいた検討を進め、来年度中に主要施策等を盛り込んだ基本計画をまとめ、答申する。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

 2011年12月19日号掲載 政府は12月6日、子ども・子育て新システム検討会議作業グループ基本制度ワーキングチーム(WT)の第17回会議を開催。税と社会保障の一体改革案で政府は、幼児教育と保育を一体的に提供する「こども園」(仮称=給付システムの一体化)を整備する方針を示しているが、新法の総合施設法で創設しようとしている幼保完全一体型の「総合施設」(仮称=施設の一体化)の所管省庁を内閣府とし、学校教育法体系下の幼稚園型は文科省、児童福祉法体系下の保育所型は厚労省とした。「これでは三重行政になる」との懸念が強い中で内閣府は、「内閣府が統括し、そのもとに文科・厚労の両省があり、あくまで一体的な所管」とした。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

 2011年12月19日号掲載 文科・農水・国交の3省は12月6日、学校の安全・安心な立地や学校と地域とのかかわりの深化を図るため、第3次補正予算などを活用して、東日本大震災被災自治体の取り組みを総合的に支援する「学校の復興とまちづくり」について取りまとめた。学校の復興とまちづくりを連携させて推進していこうというもの。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

 2011年12月19日号掲載 新採初異動後2校目の教員の期待と課題は――。東京都中学校長会(会長・三町章東京都新宿区立西早稲田中学校長)はこのほど、「教員の人材育成に関する課題と対応」と題する調査研究結果を発表した。その中で、新採初異動後2校目の教員について、校長は最も身につけてほしい力として「学習指導力」を、また育成上の課題は「指導する時間の確保」をあげていることがわかった。    (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)▼ニュース一覧へ

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