2014年11月24日号掲載 少子化による児童生徒の減少や市町村合併により、公立学校の統廃合が行われていた。文科省が11月13日に公表した統廃合利用状況調査結果によると、昨年度までの12年間に、5801校が廃校になっていた。  廃校の内訳は、小学校が3788校、中学が1089校、高校が924校。  施設が現存している廃校は5100校で、活用されている施設は3587校。このうち学校の統廃合で学校として利用されているのが1379校で最多だった。続いて856校が社会体育施設、623校が社会教育施設・文化施設、304校が企業等・創業支援施設などに生まれ変わっている。活用の用途が決まっているは302校。  施設が現存している廃校のうち、約2割にあたる1081校は、その後の活用の用途が決まっていない。その主な理由(複数回答)は、「地域等からの要望がない」が全体の47・1%を占めた。このほか「施設が老朽化している」35・4%、「その他」29・8%、「理立地条件が悪い」17・8%などの順。  取り壊しを予定しているのは130校だった。  活用に向けた検討に関わっている機関(複数回答)は、教委が6割を超えている。次いで首長部局の管財担当部署が約6割と多かった。さらに地域住民から意向聴取の状況(同)では、「聴取を実施していない」が5割超。「説明会等によるヒアリング」が2割以上だった。  都道府県別の廃校数は北海道が最多で597校。次いで245校の東京都、233校の岩手県と続く。最少だったのが滋賀県で19校。  こうした現状の中で文科省は、新たな学校規模の適正化基準(指針)を年内にまとめる方針を固めた。基準が改定されれば、約60年ぶりとなる。  現行の基準では、通学距離が小学校で4㌔、中学校が6㌔となっている。新たな基準では、スクールバスなどの交通機関を想定し、時間基準を設けることとしている。通学時間の上限は30分以内を軸に調整していくという。  指針には強制力がなく、市町村が判断することになる。  (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)     ▼ニュース一覧へ

2014年11月20日号掲載 中教審の初等中等教育分科会(分科会長・小川正人放送大学教養学部教授)は第93回会合で、「小中一貫教育の制度化及び総合的な推進方策」(小中一貫教育特別部会の「審議のまとめ」)について検討。制度面では「小中一貫教育学校(仮称)」と「小中一貫型小学校・中学校(仮称)」の2つの類型で設計するよう提言するとともに、小中一貫教育を推進するために、国の財政的支援を含めた積極的な条件整備などを強く求めた。今後、パブリックコメントを実施し、国民から幅広く意見を聞き、中教審総会に諮り、12月初旬に再度、同分科会で検討して、年内にも答申案をまとめる予定。  「審議のまとめ」は、同分科会内に設置された小中一貫教育特別部会が検討してきたもの。小中一貫教育の▽背景▽現状と課題▽制度化の意義▽制度設計の基本的方向性▽総合的な推進方策――の各章で構成されている。  この中で、新たな学校種として「小中一貫教育学校(仮称)」と「小中一貫型小学校・中学校(仮称)」の2つの類型の創設が打ち出されたことが注目される。  「小中一貫教育学校(仮称)」は、「1人の校長、1つの教職員組織の下、原則として小中免許を併有した教員が9年間の系統性を確保した教育課程を編成するとともに、小・中学校の学習指導要領を準用した上で、一貫教育の実施に必要な教育課程の特例を創設する」もの。  「小中一貫型小学校・中学校(仮称)」は、「学校ごとの校長、教職員組織の下、各学校種に対応した免許を保有した教員が9年間の系統性を確保した教育課程を編成するとともに、小・中学校の学習指導要領を適用した上で、一貫教育の実施に必要な教育課程の特例を創設する」もの。  両類型ともに「柔軟な取り組みを可能とするなどの観点から施設の一体・分離といった施設形態にかかわらず、設置を可能とすることが適当」とされている。  学習指導要領との関係では、「小中一貫教育学校(仮称)などに対応した独自の学習指導要領は作成せず、既存の小・中学校の学習指導要領に基づくことを基本とした上で、教育課程の一貫性を強化したり、学年段階の区切りを柔軟に設定しやすくするための特例措置の活用を可能とすることが適当」とされた。  これ以外の制度設計では、(1)既存の小・中学校と同様、市町村の学校設置義務の履行の対象とする(市町村は全域で小中一貫教育を行うことも可能)(2)既存の小・中学校と同様、市町村教委による就学指定の対象校とし、入学者選抜は実施しない――などが盛り込まれた。 (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)     ▼ニュース一覧へ

2014年11月20日号掲載 文科省の第2回いじめ防止対策協議会がこのほど、「いじめ問題に対する取組事例集」を発表した。いじめ防止対策に役立ててもらおうと、年度内に各都道府県教委に提供する予定だ。  事例集は、▽生徒主体の取り組み▽子供サミット▽特徴的なプログラム▽校内体制の整備――の4カテゴリーで構成されている。  生徒主体の実践として群馬県渋川市立渋川中学校では、生徒会本部による「いじめ防止フォーラム」や、学校側のいじめ対策委員会の設置などを通して、いじめ防止対策のしくみを構築した。毎月の悩みアンケートも実施している。これにより、悩みやトラブルを事前に把握し、いじめ防止に役立っている。  着ぐるみを活用して、いじめ防止活動を行っている学校もある。特徴的なプログラムで選ばれた名古屋市立堀田小学校は、オリジナルのあいさつキャラクターとして、校名にちなんだ「ほりったくん」を制作。児童会が中心になって取り組んでいるあいさつ運動で校門に立つと児童に笑顔が増え、いじめ防止につながっている。異学年で仲間づくりをするゲームも主導。「ほりったくん」シールも作成し、児童同士の良さを褒めあい、感謝の気持ちを込めてシールをプレゼントする「ほりったくんシール活動」も好評だ。  各団体によるいじめ防止事例も掲載されている。滋賀県臨床心理士会では「いじめ対策に係るモデル校」で学校を支援。平成23年10月に起こった滋賀県大津市の中2いじめ自殺事案を受け、いじめ防止対策の一環として実施しているもの。通常、週に1度しか来校しないスクールカウンセラー(SC)を、モデル校では週5日間、各日4~6時間ほど常駐させている。  A中学校では、加害者になりそうな生徒に声がけするようにした。その成果もあり、イライラしたとき、当該生徒がカウンセリングを受けにくるようになった。心理授業にも取り組み、感情をコントロールする「アンガーマネジメント」技法を中心に、人を傷つけない話法などの学習もしている。この授業で、自分のストレス状態などを自己評価することに興味をもつ生徒が多くなった。  事例集作成にあたっては、全国から107件の応募があり、このうち31件を選定した。このほか日弁連や日医会、全連小など5団体の事例も掲載されている。 (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)     ▼ニュース一覧へ

2014年11月20日号掲載 「しつけや教育のために体罰は必要。子どもや若者の中にも支持者がいる」「だから体罰は許容される」という理屈は通らない――。教育や保健など子どもへの支援を行う国際組織である(公社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(上野昌也理事長)はこのほど、セーブ・ザ・チルドレン・スウェーデンが作成したキャンペーン・マニュアルを翻訳し、「子どもに対する体罰を終わらせるための手引き」(A4判、92ページ)を発行した。体罰問題をめぐる世界的な潮流、体罰の慣行を終わらせるための手段などが丁寧にまとめられている。  「手引き」は、(1)体罰の問題を理解する(2)状況の分析と変革のためのキャンペーン(3)体罰の適法状態を終結させる(4)体罰の慣行を終結させる(5)キャンペーンの効果を評価する(6)参考資料――の6章で構成されている。  わが国では、体罰は学校教育法で明確に禁止されており、体罰に当たらない指導についても指針が示されている。だが昨今、体罰を苦に自殺事案が起き、問題意識が高まった。その一方で、いまだに教員による体罰事案が発生してしまう状況にある。  家庭では、しつけの名を借りた虐待の中で、体罰は後を絶たない。  「手引き」ではまず、06年に国連子どもの権利委員会で採択された定義を要約し、「どんなに軽いものであっても、有形力が用いられ、何らかの苦痛または不快感を引き起こす罰」としている。  併せて、世界各国で体罰の態様や容認されている範囲などをまとめている。世界には、大人側に体罰行為を容認する態度がまだまだ根深く存在し、子どもへの体罰が行われている実態がある。それが日常で行われ、世代を超えて当たり前のこととして引き継がれていく状況が、そこから読み取れる。  そんな状況が、体罰容認派の「子どもや若者の中にも支持者がいる」といった声に反映する。だから、そう語る子どもや若者や大人に耳を傾けると、体罰の連鎖を学習してしまった姿が見えてくる。  「体罰擁護の理由」とそれに対する「反論」を述べたページには、現状を見直すヒントがたくさんある。  体罰の慣行を終わらせるための作業プロセスとしては、▽体罰を行使する理由を理解する▽体罰終結の目標と達成方法を決定する▽必要なツールと教材を作成する▽肯定的で暴力に頼らないしつけの方法を推進する▽医療従事者など社会に存在するさまざまな集団と共同活動を行う▽しつけと体罰の違いを理解し、それを伝える――を挙げる。これは、学校でも、家庭に対しても共通する道筋だという。  示されている法整備や対策の多くは、わが国でもすでに整備され、実施に移されている。だが、体罰事案は依然としてなくならず、児童虐待は増加している。大切なのは、法や対策を実効あるものとし、子どもに体罰による苦しみを与えず、世代間の連鎖を絶つこと。そして、本気になって取り組むこと。  「手引き」はセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのサイト内(http://www.savechildren.or.jp/work/protection/ECP_Manual.pdf)からダウンロードできる。校内研修などで活用することができる。  また体罰を廃止したスウェーデンの35年にわたるあゆみがまとめられている冊子「子どもに対する暴力のない社会をめざして」がある。問い合わせは同法人=〒101―0047東京都千代田区内神田2―8―4、山田ビル4F/℡03(6859)0011。 (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)     ▼ニュース一覧へ

2014年11月17日号掲載 この日の意見交換会では、両者のほか4人の知事が参加し、各知事の教育施策などについて話し合っていた。論争の火ぶたが切られたのは閉会直前――。  川勝知事が「全国学力テストの件について」と発言したのをきっかけに、下村大臣と激しい応酬となった。  川勝知事は今年度の結果公表について「データを公表することは県教委も知っている。教育委員長が一任すると言った。私が実施要領に準じて発表することを決めた。県教委の同意を得ずに勝手に公表したというのは県教委に対して失礼だ」と語気を強めた。  これに対して下村大臣は「県教委からの報告書では、公表に関して知事に委ねていないと言っている。知事が一方的に発表するのはルール違反だ」と指弾した。  このあと川勝知事が「実施要領は不明慮で分かりにくい」と指摘すると、下村大臣は「工夫する」と譲歩の姿勢を見せたが、「不明瞭だからといって、公表するものではない」と反論した。  終了後、記者団に対して下村大臣は、来年度の全国学力・学習状況調査の実施要領に盛り込むことが懸案となった「調査データを渡さない」などの〝罰則規定〟に関して、「来年度以降は実施要領に反することはしないと思う。現段階で準備しようとは思わない」と語った。  川勝知事も記者団に対して「反しているのは文科省自体だ。文科省の国語力が試された。実施要領の表現力が不十分で、赤点である」と声を荒げた。 (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)     ▼ニュース一覧へ

2014年11月17日号掲載 財務省が小135人学級を40人に戻すよう文科省に求めている動きに対して、自民党の文部科学部会(部会長・冨岡勉衆議院議員)は11月11日、「教職員定数の拡充等教育条件の充実に関する決議」(案)を部会長一任で了承。35人学級を堅持する方針を決めた。今月中には麻生太郎財務大臣に決議文などを手渡す。  決議文では、「40人学級に戻すべきとの主張は問題外」と明記。幼児教育無償化の財源確保のためにこうした「義務教育の条件整備を後退」させてはならないとも記した。  同部会では、財務省を説得できる客観的なデータを出すよう文科省に求めることも決めた。具体的には保護者らの声を反映できるようなものを数値化し、まとめるという。  35人学級を巡っては、文科省と財務省が激しい攻防を見せている。財務省は、文科省が来年度からの実施を目指す幼児教育の段階的無償化の財源約250億円を確保するため、公立小学校1年生の35人学級を40人学級に戻す案を打ち出している。  また小1のいじめ認知件数に関して、35人学級導入前の平成18~22年度が10・6%だったのに対し、導入後の23~24年度は11・2%と微増している点を挙げ、これを35人学級には効果がない根拠としている。  一方、文科省は、いじめの認知件数は増加傾向だが、昨年度に施行された「いじめ防止対策推進法」の影響もあり、積極的に認知し対応しようとの学校側の意識が背景にある微増だと反論している。 (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)     ▼ニュース一覧へ

2014年11月17日号掲載 島根県松江市教委は、全国学力・学習状況調査の実施要領に則し、このほど、市内小・中学校の学校別状況を公表した。川勝平太静岡県知事から「非常にわかりにくい」と断じられた同要領だが、同市教委は、▽平均正答率など数値だけの公表は行わない▽授業改善策を同時に示す――など、同要領の趣旨にきれいに沿い、適切な配慮の下で実施している。  同市には小学校34校と中学校16校がある。このうち、今年度の全国学力・学習状況調査を受けた児童が10人を下回る小学校5校を除く小・中学校の状況が、市のサイトの「教育―学校」のページに公開された。  このページには、(1)同教委の基本的な考え方(2)現状と対策の概要(3)公表での留意点などに続き、「学校別調査結果」として、小・中学校名が列記されている。校名をクリックすると、学校ごとに、(1)全国学力調査の成果と課題(2)対策(3)今後特に力を入れて取り組むこと――などがまとめられている。また平均正答率、学力との相関が指摘されている意識調査の回答割合が、自校や全国など別に示されている。  自校や同市の平均正答率については、調査の実施要領に注記されているように、「測定できるのは学力の特定の一部分」であることを踏まえ、「参考」と明記されている。  国語、算数・数学への関心、学習習慣、生活習慣、規範意識、自尊感情などの項目を設けたレーダーチャートで、全国平均との差の傾向を大づかみにできる工夫もされている。  同市立第一中学校の場合で見ると、国語A問題の課題は、「漢字の書き取りは県・全国平均を下回り、弱みとなっている」点。授業改善の対策は、「授業の中で新出漢字の確認・練習の時間を設定する」など。数学Bの課題は「『関数』の問題では正答率が全国平均を下回り、弱みとなっている」。対策は、「『関数』については、既習内容の積み重ねが重要。家庭学習に取り組ませる」など。  参考として示されている同校の平均正答率は国語Bで53・8。市は50・2、県は52・0、全国は51・0。数学Aは同校で68・3、市は65・6、県は66・1、全国は67・4――など。  10月22日に開かれた市教委の会議では、こうした公開内容について、5人の教育委員全員が賛成している。公表そのものが決められたのは、8月開催の同会議で。  同市の16中学校区内の小・中学校は、平成22年度から小中一貫教育を展開する16学園としてのまとまりがある。このたびの分析結果や授業改善策は、この一貫教育の枠組みの中で実施されていくもので、こうした小・中学校の連動が、全国学力・学習状況調査の実施で最も重要な、結果を日々の教育活動の中でどう活用していくかに直結し、相乗効果をもたらしていく。  同市教委は今後、(1)重点施策を明確にする(2)取り組み方針に基づき学校では授業改善や授業力向上に一層努めるとともに、市教委が積極的に支援する(3)生活意識調査の結果も併せて公表することで、地域や保護者には学校の実態を踏まえた上での協力と連携を願っていく――としている。 松江市教委の公表指針(抜粋) 「説明責任は義務の一つ」  学校教育は公教育であり、子どもたちが育ち、社会人となる途上の一過程です。その過程の時々に児童生徒が獲得する能力の質・量の大きさは、広く社会に認識される必要があります。従って、教育に地域特性があることを考慮しても、公的に行われた学力調査の結果を広く社会に公表することは教育機関あるいは教育委員会の社会に対する義務の一つであると考えます。 ...

2014年11月13日号掲載 文科省は10月31日、省内で第7回初等中等教育分科会小中一貫教育特別部会を開いた。1人の校長を置く「小中一貫教育学校(仮称)」と、校種別に校長を置く「小中一貫型小学校・中学校(仮称)」の2タイプを盛り込んだ審議まとめ案「小中一貫教育の制度化及び総合的な推進方策について」が了承された。11月20日開催予定の中教審総会で、学制改革の一部として諮問される。  「小中一貫教育学校(仮称)」は、新たな学校種として学校教育法に位置付けられる。教員は原則として小中免許を併有する者を採用し、9年間一貫した教育を実施する。経過措置として、小学校免許で小学校課程を、中学校免許で中学校課程を指導可能とする。  教育課程では、9年間の教育目標を設定するほか、系統性を確保したカリキュラムを編成する。加えて、小・中学校の学習指導要領を準用することが求められた。その上で、一貫教育の実施に必要な教育課程の特例が認められることとなった。具体的には、新教科の創設や指導事項の学年学校段階間の入れ替えなど。  組織は、1人の校長の下で1つの教職員組織とする。さらに制度に伴う支援策として、適切に学校マネジメントができるように、必要な教職員定数の措置を講じるとしている。  課程区分は、「中1ギャップ」などの教育課題に対応して、「4―3―2」「5―4」といった柔軟な学年段階の設定を求めた。  施設形態は両タイプとも、一体型と分離型のどちらでも設置できる。校舎内には児童生徒が交流できるスペースなどを設け、その整備を国が支援していくと明示された。  他方の「小中一貫型小学校・中学校(仮称)」は「小中一貫教育学校(仮称)」に準じた形で一貫教育を実施する。教育課程も同様で、校長は小学校と中学校にそれぞれ置かれる。教職員組織も校種別に設ける。  学校間の調整には各校種で担当者を置くほか、学校運営協議会の合同設置や一貫教育を担保する組織を置くことなどを決定した。これらの事項は小・中連携型と区別するために要件化された。  免許は小中併有ではなく、校種に対応した教員が小・中学校でそれぞれ教える。  また小中一貫教育は、市町村の学校設置義務の履行対象とすることも示された。これにより、市町村内の全域で一貫教育が実施可能となる。加えて、既存の小・中学校と同様に入学者選抜は行わないとした。 (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)     ▼ニュース一覧へ

2014年11月13日号掲載 豆電球と発光ダイオードって、どれくらい電気を使うのかな?――。国立教育政策研究所はこのほど、「環境教育指導資料〔幼稚園・小学校編〕」として、教員向け指導資料とリーフレットを作成した。資料には、教科・領域での指導のポイントや留意点、実践事例などが、分かりやすくまとめられている。今年は、わが国が提唱した「国連ESDの10年」が最終年を迎える。この区切りの年に当たり、今後とも取り組みを継続させるために、ぜひとも参考にしたい資料である。  教員向け指導資料(A4判、91ページ)には、▽持続可能な社会の構築と環境教育▽幼小での展開の要点▽実践例などが収載されている。リーフレット(両観音折り)はワイドな見開きで、「『生きる力』を育む環境教育」をテーマに、環境教育のねらいを明示し、本体の教員向け指導資料の実践例を要約して、それが掲載されているページを指し示したもの。同研究所の教育課程研究センターが作成した。  資料ではまず、持続可能な社会のための教育(ESD)を切り口に、学習指導要領上での位置付けや「生きる力」の育成との関わりを述べる。また学校種ごとの発達段階に応じた取り組みの重要性とともに、幼小連携や小中連携、家庭・地域・NPOなどとの連携といった視点も重視している。  幼稚園での実践では、砂場での水遊びなどの中で、感じたり気付いたり試したりする事例などを掲載。遊びの中で聞かれる幼児のつぶやきや協力関係を築いていく動きなどを、取り組みのポイントとして押さえる。  小学校では、環境教育のねらい、身に付けさせたい能力や態度、環境を捉える視点などを押さえながら、各教科・領域での実践をまとめている。  小学校での環境教育のねらいは、(1)環境に対する豊かな感受性の育成(2)環境に関する見方や考え方の育成(3)環境に働きかける実践力の育成。  身に付けさせたい能力や態度は、(1)環境に興味・関心をもち、自ら関わろうとする態度(2)問題を捉え、解決の構想を立てる能力(3)データや事実、調査結果を整理し、解釈する能力(4)批判的に考え、改善する能力(5)合意を形成しようとする態度など。  捉える視点は、(1)資源の循環(2)自然や生命の尊重(3)異文化の理解(4)共生社会の実現(5)生活様式の見直しなど。  実践例としては、社会科、理科、生活科、道徳の時間、特別活動(児童会活動)、総合的な学習、学校全体での取り組みを収載。  6年生理科の「電気の利用」(全9時間)では、豆電球と発光ダイオードで、使う電気量にどれほどの違いがあるのかを実験で検証する。得られたデータを解釈しながら、生活を振り返り、見直す活動を展開していく。  5年生社会科の「環境を守る人々」(全8時間)では、学習指導計画・評価計画を提示。その2時間目の実際を収録し、「現実の取り組みを知って社会に参画する態度を育てることが大切」と、留意点を指摘している。  巻末には、参考資料として、環境教育に関係するウェブサイトなどが列記されている。 ...

2014年11月13日号掲載 文科省と全国公立小中学校事務職員研究会は10月31日、省内で「平成26年学校マネジメントフォーラム」を開催。学校事務効率化の事例や事務職員と教員などの協働業務について講演が行われた。全国各地から小・中学校の事務職員ら約400人が来場した。  フォーラムの冒頭、加藤崇英茨城大学准教授が「事務機能の強化による学校マネジメント」をテーマに、学校事務の在り方について語った。  同准教授は、さきごろ公表されたOECDの中で最も長いのは、事務などで時間を多く費やしているからだと説明。  その原因は「学校の中では見えない教職員の働きにある」と分析。その具体例を挙げ、「近年は誘拐や通り魔などの事件が起こると、下校時の付き添いや安全確認に時間がとられる。また保護者や地域への対応などが負担になっている」と指摘した。  学校事務職員に対する期待としては、「教員の動きに独特の動きがある。学校規模や地域によって条件は違うが、それに合わせた対応力が必要だ」と強調した。  また教員の負担を軽減するには、事務室がチームとなって教員を支援することが大切だとした。  その上で、「日常的な教員との協働のほか、校内にける事務と教員との業務シェアなどをすることが学校事務の強化につながる」と語った。  このほか、鳥取県倉吉市教委や福井県教委、栃木県宇都宮市教委などが、学校事務の改善例などを発表した。  このうち倉吉市教委は、市教委と協働・連携した学校事務共同実施について解説した。同市では、中学校区の小・中学校事務職員で「共同実施組織」を構成し、相互支援や集中処理を行い、正確で質の高い事務実施を図っている。  共同実施の一番の目的は教員の負担軽減。これにより、▽児童生徒とふれあう時間を確保▽事務処理の標準化による業務改善▽事務処理の精神的負担軽減▽校内事務処理体制の整備――を図ることができるとした。  その具体的な対応策としては、学校徴収会計支援の事例を示した。適正な処理や会計の負担感をなくすために、取扱要領の整備や会計ファイルシステムを利用することで会計の透明化を図っているという。  さらに、教員を対象とした対応策では、学籍情報の一括管理システムを利用し、指導要録が効率的に作成できることなども示した。 (詳細は「教育新聞」紙面に掲載)     ▼ニュース一覧へ

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