中教審の教育課程部会は9月6日、今後の教育政策の方向性をまとめた報告書「Society 5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」について意見を交わした。各委員は報告書が示す内容の推進に賛同する一方、さまざまな課題を指摘した。 「Society 5.0」は、「IoT、ロボット、人工知能、ビッグデータ等の先進技術を活用することで、新たな価値を創出し、地域、年齢、性別、言語等による格差なく、多様なニーズ、潜在的なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供することのできる新たな時代」と定義されている。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会である。報告書ではこの新社会に対応しうる人材育成に向けて▽「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習の機会と場の提供▽基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力を全ての児童生徒が習得▽文理分断からの脱却――の三つの方向性を示した。 この方向性に沿った施策を進めていくには当然財源が必要となる。……

厚生労働省が先日公表した2017年度の中高生の飲酒・喫煙実態調査の結果によると、酒を飲んだ経験のある中学生は16.2%(男子17.1%、女子15.3%)、高校生は29.4%(男子30.3%、女子28.5%)いることが判明した。また、紙巻きたばこを吸った経験のある中学生は2.6%(男子3.1%、女子2.1%)で、高校生は5.1%(男子6.9%、女子3.3%)であった。 8年前の12年度調査では飲酒経験が中学生36.3%、高校生53.9%、喫煙経験は中学生8.7%、高校生16.0%であったので、大幅に減少している。行政指導による自動販売機の規制や店頭販売での年齢確認、販売に関わる従業員研修の徹底に加え、マスコミの注意喚起、医療機関や保健所など関係機関による指導と、社会を挙げての取り組みが功を奏したといえよう。何より、学校における指導が最も効果的だったのではないか。 飲酒・喫煙が未成年者に与える影響は計り知れない。……

8月末から9月初めにかけて、マスコミが子供たちの自死や不登校の対策、取り組みに関する報道を続けていた。自死も不登校も、この時期に最も多く発生しているからである。 当然、学校や教育委員会も手をこまねいているわけではなく、保護者と協力してさまざまな取り組みを進めている。だが、忘れてはならないのは、「魅力ある学校づくり」が基本・基盤にあるということだ。 「学校が大好きです。明日も行きたい。休みの日も行きたい」という小学校2年生の作文を目にしたことがある。……

 「PTAは要らない。国家の意思に連動する保護者組織は、子どもの育ちの過程には不要なものだ。大事なのは目の前の子どもの現実からスタートする、強制力を持たない保護者の活動なのではないか」  少々過激な筆致でPTAの存在意義に疑問を呈したノンフィクション作家・黒川祥子氏の著書「PTA不要論」(新潮新書)が話題を呼んでいる。同氏は「長男では3回、次男で4回と、小中高在学期にPTA役員を経験したが、有無を言わさない同調圧力に巻き込まれ、自発的意思の伴わない活動を仕方なく担わされている」と自身のPTA体験を回顧する。  「任意加入」は有名無実化し、半強制的に押し付けられた役員の仕事の大半が雑用であったり、断れば断ったで保護者同士の人間関係に軋轢(あつれき)が生じたりと、PTAを巡るさまざまな問題は以前から多くの人々が指摘するところであった。……

新学習指導要領の総則において「カリキュラム・マネジメント」の言葉が用いられ、研修会や研究会、学会等においてこの用語を用いた取り組みが見られるようになった。学習指導要領では、第1章総則の「第1」「4」において、その三つの側面が示された。それは、編成に関わる側面と評価と改善に関わる側面、実施に係る諸条件の改善に関わる側面である。総則の「第5 学校運営上の留意事項」の「1」においても、校長の方針の下、教職員が適切に役割を分担・連携しながらカリキュラム・マネジメントを行うように努めることが明記された。 今後ともカリキュラム・マネジメントはさまざまな場面で用いられると想定される。その際、「カリキュラム」は教育課程を指すのか、それとも教科等の改善も指すのか、1単位時間の授業構成もカリキュラムなのかといった点が課題になる。研修会等で「カリキュラム・マネジメント」という言葉を使った場合、具体的にどのようなレベルの内容を指しているのかが共有されない限り、実質が伴わない研修になりかねない。 総則では、教育課程に関わることをカリキュラムと表しているが、本来「教育課程」は法令用語であり、「カリキュラム」は教育一般で用いられる用語である。……

夏休みが終わり、子供たちが学校に戻ってくるころだ。新しい学期を迎え、気持ち新たに学習や生活に向かっていく子供たちを、学校は全面的に支援してほしいと願う。 一方で不安要素もある。不登校など不適応を起こす子供や、夏休み中に友人関係が変わり非行に走る子供がこの時期に急増することだ。 特に昨今、非行に関し見過ごせない事態が発生している。……

養護教諭の悩み相談が新聞に寄せられていた(読売新聞7月25日)。「学校が養護教諭の仕事に対し、理解がありません。管理職から『生徒が来ないとひまでいいよね』と言われ、雑用をふられることもあります」とあった。今どきこのような管理職がいるのかとあきれる。回答者も「そうした方々は管理職としての適性を欠き、職員や保護者からの信頼を得ることはできません。そもそも、組織のトップとして専門職の職務内容を把握しているのか」と手厳しく指摘している。そのとおりであろう。 この管理職が養護教諭を、けがや体調不良の子供を一時的にみてくれるだけの「保健室の先生」と捉えているのであれば不見識極まりない。今日の養護教諭は保健室=学校の保健センターの経営者であり、学校保健の専門職としてチーム学校に欠かせない存在となっている。 「児童の養護をつかさどる」(学校教育法第37条12項)養護教諭の職務は多岐にわたる。……

 多くの学校は間もなく2学期を迎える。2学期は4カ月近くあり、夏・秋・冬の3シーズンを過ごすことから、子供の体調管理に学校も家庭も十分な配慮が必要となる。また、この時期は不登校の数が増加する。「登校しぶり」も含め、1学期にその兆候がみられた子供に対しては、夏休み中に家庭訪問や教育相談の機会を設けたり、中・高校では部活動の参加を促したりと、担任は2学期に向けた準備・指導の必要があろう。その際、認識しておきたいのが「起立性調整障害(OD)」という病気だ。  ODは、10~16歳の思春期の子供にみられる自律神経機能不全の一種で、立ちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠(けんたい)感、動悸(どうき)、頭痛などの症状がある。症状は特に午前中に出やすく、周囲からは「怠けている」と誤解を受けやすい。逆に夕刻から夜間は元気になり寝付きが悪くなる。重症化すると、不登校や引きこもり状態となり、学校生活への復帰を遠のかせることもあるという。  原因は、体を起こす際の自律神経の調整機能の不調と、交感神経と副交感神経のバランスの乱れだ。……

4月17日に実施された「2018年度全国学力・学習状況調査」の結果が国立教育政策研究所から公表された(本紙8月6日付既報)。今年度の変更点は3年ぶりの理科の実施と調査結果公表の早期化である。例年よりも1カ月早く公表された調査結果を生かして夏季休業終了後の学習指導、特に主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に取り組み、移行措置、ひいては新教育課程編成につなげられるよう期待したい。 結果報告のうち、例年課題となっているB問題「主として『活用』に関する問題」の趣旨をいくつか紹介する(理科はA・Bの区分なし)。A問題「主として『知識』に関する問題」の正答率がおおむね高いのに対して、B問題はなかなか向上しない状況が続いている。今回の結果を見る限り例年と変わらないようだが、各学校ではどうであろうか。 〈小学校国語〉▽話し手の意図を捉えながら聞き、自分の意見と比べるなどして考えをまとめる[大問1(3)]▽目的に応じて、複数の本や文章などを選んで読む[大問3(1)] 〈小学校算数〉▽示された考えを解釈し、条件を変更した場合について考察した数量の関係を、表現方法を適用して記述[大問4(2)]▽折り紙の枚数が100枚あれば足りる理由を、示された数量を関連づけ根拠を明確にして記述[大問5(1)]……

酷暑が猛威を振るう中、子供の死亡事故が発生するなど、事態は深刻さを増している。国、地方自治体、学校はさまざまな防止策を検討・実行しているが、現在、注目されているものの一つに、環境省の「熱中症予防情報サイト『暑さ指数』の情報提供」事業がある。 この事業は、気候変動やヒートアイランド現象に伴う暑熱環境の悪化などによる熱中症患者の増加を未然に防止するため、2006年度から「環境省熱中症予防情報サイト」を設置。暑さ指数(WBGT)の予測値・実況値など、熱中症予防に有用な情報を提供している。 「暑さ指数」のWBGTとは、Wet-Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)の略称で、暑熱環境下の労働の指針としてISOなどで国際的に規格化されているものである。……

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