次期学習指導要領 評価の在り方早期に検討を

次期学習指導要領の基本的な枠組みと方向性が徐々に明確になりつつある。

一つは、資質能力を教育課程の全体構造と各教科等の相互関連の中で構造的に整理する方向性を示している点である。同時に各学校段階、学年段階を見通した縦のつながりで教育課程の役割を明確にする方向性も提示している。これらの仕組みを円滑に働かせ目標を達成していくためのカリキュラム・マネジメントが、新教育課程では重要な役割を果たすとしている。いわば構造化された教育課程を実施していくためのカリキュラム・マネジメントとアクティブ・ラーニングは、次期教育課程を支える重心の役割を果たそうとしている。

このような特色をもつ次期教育課程を実効あるものにするためには、できるだけ早期に、学習評価の在り方について検討する必要があると考える。

8月に出された教育課程企画特別部会の「論点整理」では「学校教育法が規定する三要素との関係を更に明確にし、育成すべき資質・能力の三つの柱に沿って各教科の指導改善等が図られるよう、評価の観点については、『知識・技能』『思考・判断・表現』『主体的に学習に取り組む態度』の3観点に沿った整理を検討していく必要がある」としている。

この3つの要素を踏まえた観点の在り方については、既に平成20・21年の学習指導要領の改訂を受けて行われた指導要録の改訂作業で検討された経緯がある。平成22年3月に出された「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(中教審教育課程部会)では、「学力の三つの要素を踏まえて評価の観点を整理することが適当」として、次のように評価の観点を整理した。

基礎的・基本的な知識・技能については「知識・理解」および「技能」に、思考力・判断力・表現力等については「思考・判断・表現」に、主体的に学習に取り組む態度については「関心・意欲・態度」において評価を行うとした。これを受け、社会や理科は従前の「技能・表現」が「技能」として整理された。「論点整理」では、前回の(報告)とほぼ同様の課題を提示しており、今後さらに、どのように「整理」しようとしているのかが問われる。

また「論点整理」では「関心・意欲・態度」の評価の課題として、「正しいノートの取り方や挙手の回数をもって評価するなど、本来の趣旨とは異なる表面的な評価が行われているとの指摘もある」と記している。これは平成22年報告でも、「授業中の挙手や発言の回数といった表面的な状況のみに着目することにならないように留意する必要がある」とされていた。これは「関心・意欲・態度」の評価方法が依然確立せず問題が解決されていない状況があるのを示している。「関心・意欲・態度」の評価の在り方について、基本的地点に立ち返り研究を進めておくのは喫緊の課題である。

さらに、以前の報告では注にあった「ポートフォリオ」や「パフォーマンス評価」が、「論点整理」では本文に示されており、特に「パフォーマンス評価」は、それを取り入れて「ペーパーテストの結果に留まらない、多面的な評価を行っていくことが必要」としている。この「パフォーマンス評価」は、学校現場でも少しずつ聞かれるようになってはいるが、その具体的な内容・方法については、自信をもって実施できるような状況とはいえない。次期教育課程が資質能力の育成を重視する構造をとる際には、学習評価の課題を早期に検討し解決しておくことが重要である。