「チーム学校」の推進 画期的な変革に連携・協働を

中教審(北山禎介会長)は11月26日の総会で、「これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方について」と題する答申案を審議、微調整のあと12月21日の総会で馳浩文科相に答申する運びだ。ここでは「チーム学校」の重要性が強く打ち出された。今後の学校教育を推進する上で、画期的である。

改めて、答申案からそのポイントをまとめると、「チーム学校」が求められる背景としては、いじめ・不登校などの生徒指導上の課題など、貧困問題への対応や地域活動など、学校に求められる役割の拡大などへの対応などがあげられている。

これに対してわが国の教職員の現状は、「教員以外の専門スタッフの配置が諸外国と比べて少ない」「学習指導や生徒指導など、幅広い業務を担い、子どもたちの状況を総合的に把握して指導している」とした上で、「教員が自らの専門性を発揮し、より一層学習指導や生徒指導などに取り組むことができるよう、指導体制の充実を図るとともに、心理や福祉などの専門能力スタッフを配置し、様々な業務を担う体制を整備することで、学校の教育力・組織力を向上させ、一人一人の子どもの状況に応じた教育を実現する」としている。

この現状を踏まえ、「チーム学校」を実現する方策としては、(1)専門性に基づくチーム体制の構築(教員、事務職員、専門能力スタッフなどが連携・分担し、それぞれの専門性を発揮できる体制の構築)(2)学校のマネジメント機能の強化(校長がリーダーシップを発揮できる体制の整備)(3)教員一人一人が力を発揮できる環境の整備(教職員の人材育成や業務改善などの取り組みの推進)――の3つの視点をあげている。

このうち教員以外の専門能力スタッフについては、この問題を審議した作業部会の各委員からもさまざまな意見が出され、答申案では、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、ICT支援員、特別支援教育支援員、部活動指導員(仮称)などをあげている。これ以外にも「外部指導の一環として、退職した警察官も入れたらどうか」「外国人英語指導主事助手も地域住民という明確な位置付けとして協力してもらっては」などの意見が出された。

チーム力とか、チームワークの言葉の定義は、古今東西の知名人によって数多く発せられている。昭和時代の実業家で、元経団連会長の土光敏夫氏は「複数の人による共同作業で最も重要なチームワークとは、各人の長所をうまく組み合わせることに他ならない。一人ひとりの長所が異質であればあるほど、チームワークの相乗効果は大きい」と発言している。

コミュニケーション論を専門とする斎藤孝明治大学教授は「チーム力とは、情報共有である。学校でいじめの芽みたいなものがあれば、その問題を担任の先生一人だけで抱えるのではなく、この子がいじめられて、ちょっと危なさそうだということを学年ごと、学校全体、校長までが感じていれば、その後の対処は違うはず。情報共有がうまくできないのは、コミュニケーションやチームが成り立っていないと考えてもいい」と述べている。

「チーム力」に関するこれらの発言は、今後の「チーム学校」の効果的な推進を考える上でも参考になろう。近年、わが国の教員は多忙化の中で孤立化していると指摘されている。校長のリーダーシップの下に、教員同士がその専門性を発揮しながら連携・協働していく体制を、一日も早く実現できることを強く望みたい。

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