副校長・教頭の役割を重視 学校のマネジメント強化で

「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上策」を審議している中教審教員養成部会の会合(11月24日)で、ある委員から「このまま管理職の受験者の低迷が続くと、東京には、副校長のいない小学校が出現する可能性がある」との衝撃的な発言があった。

最近、若い人たちの中には、一般企業と同じように、教育の世界でも管理職を避ける傾向があるとは認識していたが、それにしても「副校長のいない学校」という事態がそこまで進んでいるとは、想像すらできなかった。

少し古いデータであるが、2011年の東京都教育管理職選考では、受験者数(483人)、合格者数(393人)、倍率(1・23)ともに過去最低の数字だった。特に「A選考」(若手登用=行政管理職または学校管理職の候補者を選考)は、制度発足当時800人以上もいた受験者が10年たってみたらたったの25人(33分の1)になった。窮余の策として、推薦区分(一次試験免除)を導入して合格者55人を確保したが、制度の趣旨を損ねたとの批判も出ている。ちなみにB選考(中堅登用=原則として学校管理職の候補者を選考)は382人の合格者、C選考(ベテラン登用=即任用する学校管理職を選考)は29人の合格者を出した。

東京都教委はこの学校管理職の現状について「近年、校長・副校長の大量退職が進む一方、教育管理職選考受験率が低下していることから、校長・副校長の人材確保が難しくなっている。特に、小学校副校長の不足については危機的な状況にあり、中学校からの異校種間昇任、副校長が学校経営や教職員の人材育成などに十分取り組める時間を確保するための校務改善、家庭と仕事の両立を確保するための管理職候補者の昇任猶予制度の導入などの対策を講じているが、教育管理職選考受験者数の低迷の状況は変わらない」(平成25年5月発行の「学校管理職育成指針」から)などと分析している。

先の中教審教員養成部会での委員の発言の通り、何ら改善されないまま、異常事態は続いているということであるが、このような事態は、東京都だけに限らず、全国的に波及している問題である。

中教審は11月26日の総会で「これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方について」の答申案をまとめた。「学校のマネジメント機能の強化」を推進する上で校長はもとより副校長・教頭の役割は欠かせないとの認識に立っている。

特に、校長を補佐する副校長・教頭の役割については、「チームとしての学校において、教職員と専門能力スタッフなどの調整や人材育成などの業務に当たることが期待されており、事務職員との連携や業務の見直しなどにより、副校長・教頭が力を発揮できる体制を整えることが重要である」と強調している。「副校長・教頭は、学校教育を支える重要な要」という認識に裏打ちされた記述といってもよいだろう。さらに、「規模が大きい学校や課題を抱えた学校については、副校長または教頭を複数配置することも効果的である」と、むしろ増員を示唆する提言もしている。

教育界の一部からは、「副校長・教頭職は激務の割に、待遇は改善されていない。このままの状況が続く限り成り手は少なくなる一方であろう」との声も出ている。抜本的な改善を果たすことが先決であろう。