小学校英語の教科化 指導環境の整備こそ急務

小学校英語科の具体化に向けた動きが、活発になりつつある。外国語ワーキンググループが10月26日、中教審教育課程部会内に設置され、小・中・高校を通じて育成すべき外国語教育の資質能力、外国語教育の改善の具体化等について、月1、2回のペースで論議、今年度末から年度明けには取りまとめを行うとしている。

そこでは、中教審教育課程企画特別部会の「論点整理」(8月26日)や「英語教育の在り方に関する有識者会議」の報告(昨年9月26日)を踏まえ、小学校高学年の英語の教科化を前提に、小・中・高校で育成すべき資質・能力の可視化と一貫した目標、内容、指導課程の在り方、小学校の授業形態、小中連携、学習評価の在り方等が論議され、小学校における英語科の具体的な姿が明らかにされるようだ。

このように、小学校英語科は、次期学習指導要領を見据え、着々とその具体化が図られているが、課題はないのだろうか。

全連小の平成26年度研究紀要には、同教育改革委員会で実施した「英語の教科化に当たって課題として考えられることは何か(3つ以内を選択)」の調査結果を掲載している(昨年7~8月、全国各都道府県公立小学校の約4%、803校の校長を対象に質問紙法等で調査。回収率100%)。

それによると、トップは「教員の指導力」76・7%、次いで「専科教員の配置」44・6%、第3位は「総合的な学習の時間との関連等、教育課程全体の見直し」30・1%、第4位「評価・評定の内容と方法」28・5%との結果であった。

この結果からは、英語科の指導を誰がするか、担任がするとなれば、その指導力に大きな不安があり、担任に代わる専科教員の配置を、という校長の強い思いが表れている。また改訂で高学年の週総時数が、現行よりも最大1コマ程度しか増やせない中で、2コマの英語の時間をどう捻出するか、さらに、英語が教科となった場合、これまでの外国語活動とは違った評価が求められ、評価する教員の力量も含めて、適切な評価ができるかどうかといった評価・評定の在り方について、切実な課題意識を持っている校長が多いのが分かる。

一方、この8月に発表された(公財)中央教育研究所の小・中学校の教員を対象とした「教育改革に関する教員の意識調査」(昨年10月実施。全国の小・中学校2500校対象、各校1人の教員が回答。回答者1020人、回答率40・8%)によれば、小学校から英語を教科として教えることについて、小学校教員の37・1%が「反対」で、「賛成」20・3%を17ポイントも上回り、また「英語の読み書きを教えるべきだ」との考え方にも、35・6%が「反対」。これも「賛成」16・1%を大幅に上回る結果になったという。

こうした結果から、指導内容、方法も含めて、英語の教科化に慎重な姿勢を示す教員が小学校の現場に相当数いるということが分かる。

外国語ワーキンググループが、これらの課題を検討し、方策を示せればいいのだが、英語教育の目標や内容、指導課程等といったソフト面の検討が中心のようだ。それも重要ではあるが、課題としてあげられた英語教育のための教員研修の充実、専科教員やALTの拡充、指導時間の確保等といったハード面での方策は急務である。

小学校英語科実施に関わる不安や懸念を取り除き、どこの小学校でも実施可能な指導環境や支援体制の整備に向けた具体策を早急に示されるよう強く求めたい。