不登校問題の解決に 京都市の多様な支援策に学ぶ

フリースクールなどで学ぶ子どもたちの現状を踏まえ、学校外での学修の制度上の位置付けやその支援策の在り方を考える文科省の「フリースクール等に関する検討会議」の第6回会合が昨年12月22日に開かれた。この中で、京都市教委の生田義久指導部企画顧問が発表した「京都市におけるフリースクール等との連携」と題する事例は、多様な居場所づくりを用意することにより、不登校問題を解決するという画期的な取り組みだった。

その「プラットフォーム」ともいうべき同市児童生徒登校支援連携会議は、学校、家庭、関係機関などが一堂に会し、登校支援策を協議する場で、大学教授、校長会、PTA、スクールカウンセラー、医療・相談所・フリースクールの各関係者などが委員となり、定例会議や不登校フォーラムなどに参加している。

現在、同会議が実施している連携事業は、(1)フリースクール等民間団体との連携事業(2)民間事業者との連携(3)学生ボランティアの活用――である。このうち、民間団体との連携事業は、教委とフリースクールが「お互いに顔の見える関係の形成」を目指し、フリースクールからは、「支援対象児童生徒の拡大」、教委からは「フリースクールのノウハウによる児童生徒支援の充実」に力を入れている。

具体的な事業は「ほっと・ホームスクール」(小・中学生10人程度を対象に、週1回程度、家庭訪問による相談や学習補助などを実施)、「ぷらねっと・クラブ」(小・中学生延べ75人程度を対象に、年間10回、自然体験活動などを実施)、「きらきら☆ボクシング」(小・中・高校生を対象に毎月1回、ボクシングを実施)などがある。

「学生ボランティアの活用」にも積極的で、「別室登校」の児童生徒に対し、12の大学、派遣学生37人(平成26年度実績)が協力し学習補助活動をしている。

特筆されるのは、同市にある2中学校の(洛風中と烙友中)の夜間部(2部学級)への学習補助活動に、学生ボランティアが派遣されている点だ。両校は「不登校の生徒一人ひとりがより学習しやすい条件を整えた中学校」で、「仲間とともに納得して学び直す」「心を開いて遊び、語り合う」などを行う、全国でも唯一の学校だ。「公立のフリースクール」との見方もされている。

これらの取り組みについて生田氏は、その成果として、(1)不登校児童生徒の背景が多様化する中、さまざまな施設・機関のノウハウを生かすことができる(2)フォーマルなネットワークだけでなく、インフォーマルな関係の中で互いに顔が見える連携を図ることができる――などをあげている。

その上で、今後の課題を、「選択肢の多さがかえって地に足の着いた支援を妨げている可能性がある。どの子どもにどの支援が必要かという見立てをしっかりとした上で、親のニーズと子どものニーズをすり合わせることが大事。また、学校単位での連携をさらに促進する必要がある」と指摘している。

文科省が平成26年7月に発表した「不登校に関する実態調査」(平成18年度に不登校であった生徒の5年後の状況調査)によると、全国約4万人に上る不登校中学生が中3時に「何の支援も受けなかった」と回答した生徒は約2割にも達していた。この無支援の状況を解消することが最優先課題であり、そのためにも同市の取り組みは有効なのではないか。京都方式に大いに学んでもらいたい。

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