次年度の教育課程 実効性ある学校評価に取り組む

3学期は1年間の教育活動を総括し、次年度の取り組みに備える時期である。昨年8月、中教審教育課程企画特別部会から論点整理が示され、次期の学習指導要領改訂への方向性が具体的に見え始めた。今年度の学校評価は現行の学習指導要領(平成20年1月告示)に基づく教育活動を総括し、その成果と課題を明らかにすることによって次期の改訂学習指導要領への備えとする上でも、例年以上に重要である。

学校評価のねらいは、教育活動や運営状況について評価を行い、その成果と課題を明らかにし、次年度の教育課程編成などに生かすことであり、実効性を伴うことが何よりも肝心である。学校評価の実践に関わって文科省「学校評価ガイドライン」(平成20年1月)をはじめとして各教委などから参考資料が示され数年の実績がある。しかし、学校評価を活用して教育活動や学校運営の改善にいかほどの成果を上げているのか、心許ない状況がうかがえる。学校評価が実効性を伴わず、形式的、事務処理的に行われているようにしか思えない。

教育活動の中心的な役割を担っている各教科などの授業実践は、現行の学習指導要領による取り組みが始まってかなりの時間が経過しているが、総則に示す学力観、学習指導観による授業改善が十分に進められているか、全面的に肯定はできない。例えば各教科などの授業の改善・充実は、学習評価の改善と一体化して行われなければならないが、知識・理解に重点を置いた学習評価観がいまだに大きな位置を占めている。

このことに関しては、文科省の全国学力・学習状況調査のA問題とB問題の評価結果のギャップからもうかがうことができる。こうした背景として学校評価の評価項目に学習活動や学習評価に関する適切な設問が工夫されていないことが指摘できる。学校評価を実効性のあるものとするには、各学校が当面する課題に適切に対応した設問を工夫することである。所与の様式にしたがった形式的な学校評価では時間の浪費であって、実効性が伴わない。

学校評価のねらいである教育活動の改善・充実を図る実効性のある学校評価とするためには評価項目の見直しを必要とする。多くの学校では、既に学校評価実施に関する委員会を設けていると思われるが、この委員会を活用して各学校の実情にあった当面する課題に対応した評価項目についての再検討に取り組む。設問に当たってはまず、教育活動で育む資質・能力に関して協議し、次いで授業の在り方、学習評価、各教科の連携を図った教育課程など授業改善に結び付く評価項目について協議する。児童生徒が身に付けるべき資質・能力や授業の在り方、教育活動の在り方が明瞭にとらえられる学校評価とする点が重要である。

学校評価を実効性のあるものとするには、教職員がその趣旨を理解した上での合意の成立が必要である。教職員が学校評価についての意義をどの程度に認識し、取り組んでいるか、学校評価の実効性に大きく関わってくる。また、学校評価の結果を踏まえ次年度の教育課程の在り方について協議し、教育課程を全教職員の手によって創り上げる実体験を伴えば、教職員の当事者意識は大きく変わる。学校評価の結果を踏まえ、全教職員の合意の下によりよい教育課程を編成することができれば、次年度はより充実した教育活動、学校運営が期待できる。

教育活動、学校運営の改善・充実、保護者・地域住民からの信頼は、実効性のある学校評価への取り組みによって実現する。

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