教職員人事行政状況調査 危機感をもって臨んでほしい

文科省が、平成26年度公立学校教職員の人事行政状況(分限処分、教育職員の懲戒処分等、指導が不適切な教員の認定及び措置等、教職員評価等)についての調査結果を公表した。

それによれば、精神疾患による病気休職者は5045人(全教職員の0・55%)、前年度5079人(0・55%)とほぼ同じで、平成19年度以降5千人前後で推移。懲戒処分等を受けた教育職員は9677人で前年度より183人増加。このうち、3大服務事故の1つである交通事故は、前年度比182人減の2915人(0・32%)、体罰は952人(0・10%)で、平成25年度3953人(0・43%)より大幅に減少。

これは、大阪市立桜宮高校での体罰事件を受けて実施された平成24年度の緊急調査で判明した事案の懲戒処分等が、平成25年度までに行われたことによるもの。それでも、緊急調査以前は300人台後半から400人前後で推移していたことから考えれば、相変わらず高い。わいせつ行為等は、過去最多だった25年度と同数の205人(0・02%)と依然として高い水準となった。

わいせつ行為等については、23年度170人、24年度187人、25年度205人と増え続け、一向に減る傾向にない。被処分者の年齢層は20代60人、30代52人、40代34人、50代以上59人と突出した年齢層はなく、どの世代でも起きている。さらに、そうした行為の相手の属性が、自校の児童生徒82人(40・0%)、自校の教職員31人(15・7%)と、自らの職と関わりの深い者を相手にしていることなど、気がかりが多い。

一方、行為が発覚した要因では、警察からの連絡等67人(32・7%)、一般の教職員への相談42人(20・5%)、校長等管理職への相談33人(16・1%)、学校や教委への通報20人(9・8%)。被害者からの訴えや相談もあるが、警察等第三者からの連絡で初めて明らかになるケースが多く、事実の把握が難しいのも大きな課題だ。

この公立学校教職員人事行政状況調査結果の経年変化をみると、交通事故に多少減少傾向が見られるほかは、体罰やわいせつ行為等の服務事故、精神疾患による病気休職は増えるか高止まりが続いており、常態化の様相を呈しつつある。

ところで、学校における危機管理の目指すものは、子どもや教職員の命を守ること、学校の日常のリズムを守ること、そして、学校や教師、さらには、教育界に対する信頼を守ることと言われている。しかし、ひとたび所属教職員が体罰やわいせつ等の服務事故を起こせば、当該教職員はもちろん学校管理職にまでその責任は及ぶ。何よりこれまで営々と築き上げてきた当該学校の信頼を一挙に崩す由々しき事態となる。問題によっては、学校のリズムを壊し、子ども等の生命の安全安心をも脅かす事態にもなろう。そうした意味では、毎年公表されるこうした調査結果を、自校でも起こりうる課題と考え、危機感をもって読み解くとともに、人事上の課題を未然に防ぐ定期的な研修の実施や学校組織の活性化に向けた取り組みが求められる。

服務事故を含む人事上の課題と学校のもつ雰囲気や風土には、大きな関わりがあるといわれる。学校内外に開かれた明るく同僚性の高い学校、互いに役割分担しつつ協働して目標の具現化に向けて取り組む学校、学校組織の民度や健康度の高い学校、そうした学校をつくりあげることが、服務事故等を未然に防ぐ防波堤となる。学校管理職の強いリーダーシップを期待したい。

関連記事