チーム学校 問われる組織マネジメント力

文科省は、一億総活躍社会の実現と地方創生の推進のため、学校と地域が一体となって地方創生に取り組めるよう、平成27年12月に取りまとめられた中教審の3答申「地域と学校の連携・協働」「チーム学校」「教員の資質の向上」の具体化を強力に推進すべく「次世代の学校・地域」創生プラン(馳プラン)を策定し公表した。

そこでは、3答申それぞれの実現に向けて、平成28年度から32年度までのおおむね5年間に取り組むべき具体的な施策と改革工程表を明示している。その中で、同プランの中心的役割を果たし、学校現場と関わりの深い「チーム学校」にあっては、「学校の組織運営改革」として、次のような具体策を提示している。

教職員指導体制の充実では、学習指導要領の32年度全面実施を踏まえ、28年度以降、所要の制度改正を行い、充実を図る。

専門性に基づくチーム体制の構築では、教員が、多様な専門性や経験を持った人材と協力して子どもを指導できるようにするとともに、28年度を目途に学校教育法施行規則の改正を行い、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)、部活動指導員(仮称)の省令上の明確化と配置の充実、さらに、医療的ケアを必要とする児童生徒の増加に対応するため、看護師や特別支援教育支援員の配置と充実を、28年度から順次実施。

学校マネジメント機能の強化では、校長のリーダーシップを支える組織体制強化のため、28年度から、優れた人材確保に向けて管理職の処遇改善、副校長や複数の教頭、主幹教諭の配置の順次実施。事務体制の強化と校務改善を図るために事務職員の職務内容の見直しや学校事務の共同実施、そのための法律上の明確化など、チーム学校の実現に向けての具体的な施策が、工程表とともに打ち出されている。

チーム学校の実現に向けた国の施策、人的配置や法律上の明確化は着々と進行中だが、学校現場の状況はどうか。

確かに、中教審のいう「チームとしての学校」が求められる背景としての「教育活動のさらなる充実の必要性」「学習指導要領の理念を実現するための授業及び組織運営の改善」「複雑化・多様化した課題」等を踏まえれば、これからは「校長のリーダーシップの下、カリキュラム、日々の教育活動、学校の資源が一体的にマネジメントされ、教職員や学校の多様な人材が、それぞれの専門性を生かして能力を発揮し、子どもたちに必要な資質・能力を確実に身に付けさせることができる学校」、すなわち「チームとしての学校」が必要であることは十分に理解できる。しかし、こうした背景や状況を積極的に受け止め、チーム学校を構築しようとしている学校は、そう多くないのではなかろうか。

チーム学校への切実感、必要性を持たなければ、仮にSC、SSWといった専門スタッフが配置されても、教員ともどもそれぞれの専門性を生かし、連携・協働して事に当たり、成果を収めるのは難しい。

従って、今、校長に求められるのは「チーム学校」を意識した学校ビジョンの構築と教育目標や課題に対する教職員との共有化、その具現化に向けたチームによる協働体制の確立、同僚性の醸成である。こうした取り組みを通して、教職員に「チーム学校」の必要性を意識させることである。そうした意味でも、現任校の実態を踏まえ、学校をどう変えるかといった課題意識、その改革に向けて組織マネジメント力をどう発揮するかが校長に強く問われていよう。

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