社会を意識した教育課程 小学校教育の集中的議論に期待

現在、小学校教育を大きく変える議論が集中的に行われている。中教審初中教育分科会教育課程部会の下部組織、小学校部会(天笠茂主査)が「小学校の教育課程の改善・充実」を議題に開いているもので、今年1月20日の初会合からほぼ月1回のペース、3月14日の会合で4回目を数え、4月後半にも開く会合で、最終的な報告をまとめる予定だ。

小学校部会における検討事項は5つの柱からなる。1つめの柱は、「社会に開かれた教育課程」の視点に立った小学校の教育課程の改善。これからの社会の在り方を見据えた、小学校教育の改善の方向性を明らかにするのが目的。

この問題では、特に「社会に開かれた教育課程」の重要性を視野に入れ、教育課程企画特別部会の「論点整理」で示された検討内容、(1)よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介してその目標を社会と共有していく(2)これからの社会を創り出していく子どもたちが、社会や世界に向き合い関わり自らの人生を切り拓いていくために求められる資質・能力を育んでいく(3)教育課程の実施に当たっては、放課後や土曜日などを活用した社会教育との連携を図る――などについて議論している。

この問題について、小学校部会の委員からは、「義務教育のうち基礎的なものを担う小学校教育を社会や世界の状況を幅広く視野に入れながら改善・充実させていくことが、子どもたちのよりよい人生とともに、よりよい社会づくりにつながるのを、教育課程を介して社会と共有していくことが重要」などの前向きな発言があった。

検討事項の2つ目の柱は「小学校教育を通じて育成すべき資質・能力」。ここで指摘されている「資質・能力」とは、教育課程企画特別部会の「論点整理」で示された3つの柱(1)何を知っているか、何ができるか(個別の知識・技能)(2)知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力など)(3)どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(学びに向かう力、人間性など)――だ。

検討事項の3つ目の柱は、「小学校におけるカリキュラム・マネジメントの在り方」。その内容は「カリキュラム・マネジメントの意義と効果的な実施の在り方」「短時間学習の実施など、効果的で柔軟なカリキュラム・マネジメントの在り方」などを挙げている。

小学校部会の委員からの発言も数多くあり、中には、「各学校が時間割を編成するに当たっては、子どもたちの姿や地域の実情を踏まえつつ、休憩の取り方や休業時間を工夫したり、朝学習や昼学習などの短時間学習を設定したり、授業時間を弾力化したりするなどの創意工夫が大事だ」などの意見もあった。

検討事項の4つ目の柱は、「アクティブ・ラーニングの3つの視点を踏まえた、資質・能力の育成に向けた小学校の指導等の改善充実の在り方」。5つ目の柱は、「学習評価の在り方」が掲げられている。

これらの検討事項の詳細をみて感じるのは、これからの小学校教育は、「社会や世界に向き合って関わり、自らの人生を切り開いていくために求められる資質・能力を育む」「社会や世界を視野に入れて、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持つ」など、社会や世界を強く意識した教育課程の編成を期待している点だ。そうした方向性を支持したい。さらなる議論の深まりを望みたい。

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