ALとCMの力量アップ 総合的な学習の時間で学ぼう

資質・能力育成を目指して授業改善を図る、アクティブ・ラーニング(AL)の指導と学校の教育活動や組織運営の改善を図るカリキュラム・マネジメント(CM)は、相互の連動を図り機能させることが次期教育課程までの重要な教育課題となっている。

しかしながら、文科省の「平成27年度公立小学校・中学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果について」によれば、これらに関する各学校の取り組みにつき、アクティブ・ラーニングは、小・中学校とも50%未満、カリキュラム・マネジメントに至っては40%未満である。早急にこれに取り組み、次期教育課程への準備を進める必要がある。

ところで、現行の教育課程でアクティブ・ラーニングおよびカリキュラム・マネジメントを関連づけた実践に手近に取り組めて、教師のこれらに関する力量を高めるのにふさわしいのが、総合的な学習の時間である。その理由を挙げる。

第一に、学習指導要領の「総合的な学習の時間」(総合)の目標に示されている内容は、アクティブ・ラーニングそのものである。「横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにする」というこの時間の目標は、まさに「課題の発見・解決に主体的・協働的に学ぶ学習」であり「能動的な学習」である。

第二に、総合の指導は、教えるというよりはファシリテーターとして子どもの考え・アイデアを引き出し、子どもの学びが深まるよう、主体的、対話的な学習活動を支援する指導を中心に行う。アクティブ・ラーニングの最たるものである。

第三に、内容は、各学校が選択・選定することになっており、教科書はない。そのため、教師は自ら教材研究を行い、しかも子どもの学習材となるようさらに教材理解を深める。そして、実践を通して教材・学習材としての価値や自らの教材観を問い直し改善を図る。このこと自体がカリキュラム・マネジメントであり、教師の資質・能力を高めることになる。

第四に、総合の「指導計画の作成と内容の取扱い」には「教科の枠を超えた横断的・総合的な学習」「各教科等で身に付けた知識や技能を相互に関連付け、それらが総合的に働くようにすること」「他者と協同して問題を解決」「体験活動」などが示されている。これらは、まさにカリキュラム・マネジメントなくして実施不可能ある。そもそも「全体計画」が必要とは、カリキュラム・マネジメントそのもので、これなくして総合は成立も進展もしない。

第五に、学級担任1人ではできない。「指導計画の作成と内容の取扱い」にもあるように、「地域の人々の協力」「他の学校との連携」「公民館、図書館、博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携」などが必要で、これを進めるのがカリキュラム・マネジメントである。

以上の5点から総合がアクティブ・ラーニングとカリキュラム・マネジメントの実践力を育むフィールドであるのが理解できよう。しかもこれらが着実にできるようになるのには数年かかるのである。したがって今から取り組む必要があり、管理職のリーダーシップが求められるところである。

総合から出発してみよう。

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