カリキュラム・マネジメント 全教職員が教育課程軸に一本化を

中教審教育課程部会教育課程企画特別部会は昨年8月、次期学習指導要領の枠組みを議論した結果を「論点整理」の形にまとめ、その方向性を示した。その後、下部組織である総則・評価特別部会、小・中・高校の各学校部会での議論を重ね、6月28日の同企画特別部会の会合で「取りまとめ案」を明らかにした。

「取りまとめ案」の構成は、(1)「社会に開かれた教育課程」の実現(2)学校教育の改善・充実を生み出す「カリキュラム・マネジメント」の実現(3)何ができるようになるか(4)何を学ぶか(5)どのように学ぶか(6)何が身に付いたか(7)子どもの発達をどのように支援するか(8)実施するために何が必要か(9)小・中・高校それぞれにおける諸課題への対応――の9項目からなっている。

この中で本欄では、「論点整理」で「アクティブ・ラーニング」の実施とともに強く打ち出された「カリキュラム・マネジメント」について検証したい。この問題は発表後、学校現場などから「具体性のない提案で混乱するばかりだ」などの批判に曝されてきた懸案事項だ。

「論点整理」では、「カリキュラム・マネジメントは、学校の組織力を高める観点から、学校の組織及び運営について見直しを迫るものである。その意味において、次期改訂に向けて提起されたアクティブ・ラーニングとカリキュラム・マネジメントは、授業改善をはじめ組織運営の改善など学校の全体的な改善への働きかけとして、車の両輪として位置づけ相互の連動を図り、機能させることが大切である」とし、それ以上の具体的な提案はしていない。
この提案を受けて今回の「取りまとめ案」では、次のような問題提起をしている。

○「社会に開かれた教育課程」の理念のもと、子どもたちが未来の創り手となるために求められる資質・能力を育んでいくためには、各学校がカリキュラム・マネジメントを通じて、「何を学ぶか」「どのように学ぶか」を組み立て、家庭・地域と連携・協働しながら実施し、子どもたちの姿を踏まえた不断の見直しが求められる。

○各学校のカリキュラム・マネジメントの実施に資するため、学習指導要領の「総則」の構造を刷新し、「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何が身に付いたか」などの観点を踏まえた章立てとする。

○カリキュラム・マネジメントは、教職員が全員参加で学校の特色を構築していく営みであり、園長・校長のリーダーシップのもと、全教職員が参加するのが重要である。各学校が地域や社会の変化を受け止めながら、学校教育目標や学校として育成を目指す資質・能力を明確にし、その実現に向けて各教科等がどのような役割を果たせるのかとの視点を持つことが重要である。

このたびの会合では、各委員から「地域社会に開かれた教育課程の実現が重要ではないか。説明会などを頻繁に開けば理解が得られる」などの意見も聞かれた。また「カリキュラム・マネジメント」については、「校長が管理職の立場でリーダーシップを発揮すれば、実現できるような問題ではない。全教職員が教育課程を軸に一本化すべきだ。校長はむしろクリエーターの立場から経営すべきである」など、目新しい提案もあった。

このカリキュラム・マネジメントの導入問題は、教職の有り様にとどまらず、良きにせよ悪しきにせよ、学校教育に大きな変革をもたらす予感がする。大きな関心をもって教育界は受け止める必要があろう。

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