学びを通じて地域づくり 公民館の役割が期待される

文科省は「学びを通じた地域づくり」を積極的に推進するため、その具体策を検討する調査研究協力者会議(7人の有識者らで構成)を設置。7月4日に初会合を開いた。主査には、明石要一千葉敬愛短大学長が就いた。

同会議を設置したのは「社会教育行政の再構築」に必要な公民館など社会教育施設の在り方などを検討し、今後、中教審生涯学習分科会などで議論すべき内容の論点整理を行うのが目的だ。

中教審生涯学習分科会における議論(平成25年1月)では、「社会教育は、個人の自立に向けた学習のニーズや絆づくり・地域づくりに向けた体制づくりのニーズに対応する上で、中心的な役割を担っていくことが期待される」とした。

その上で、社会教育の役割では、「地域住民同士が学び合い、教え合う相互学習を通じて、人々の教養の向上などを図り、人と人との絆を強くする役割を果たしている」「これに加え、地域住民一人一人が当事者意識を持って能動的に行動(自助)するために必要な知識を習得できるようにするとともに、学習活動の成果を協働による地域づくりの実践(互助・共助)に結びつけるよう努めることが求められる」とした。

また社会教育施設の今後の在り方では、「地域住民が学習活動を通じて絆を形成し、コミュニティへの参画や地域課題の解決を図っていくことの重要性が増している」「このため、公民館などの社会教育施設が中心となり、学習活動を地域の課題解決につなげていくような取組を支援し、普及していくなど、『学びの場』を核とした地域コミュニティの形成を進めることが期待される」とした。

これらの方向性について同省では、「従来の『自前主義』から脱却し、ネットワーク型行政の推進を目指す、『社会教育行政の再構築』である」とし、この考え方がその後の社会教育行政の在り方に大きな影響を与え、昨年12月に公表された「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」と題する報告書に結実したとしている。

この報告書は、「地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支える仕組み」を明らかにしたもので、(1)次代を担う子どもに対して、どのような資質を育むのかという目標を共有し、地域社会と学校が協働する(2)従来の地縁団体だけでなく、新しいつながりによる地域課題解決などに向けて連携・協働し、持続可能な地域社会の源にする――というもの。

以上の仕組みを実現するためには、「より多くの、より幅広い層の地域住民、団体などが参画し、目標を共有し、『緩やかなネットワーク』を形成することが重要」だとし、その具体策については、今後の審議に委ねられる。

これら一連の議論を通して、教育の分野においても、重要な役割を果たしている例として、公民館の存在がクローズアップされている。

例えば、愛媛県新居浜市泉川公民館では、児童と住民が一緒に安全マップを作成したり、児童と登下校の見守り隊が一緒に遠足に行ったりするなど、安全教育の一翼を担っている。秋田県秋田市では、公民館などの職員が市民によるワークショップ、講演会・講座の開催など多様な学習機会を提供している。

ほんの一例の紹介であるが、公民館の役割は今後ますます重要度を増すであろう。

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