総則部会の取りまとめ案 「学習評価」が授業改善のよき手引に

中教審における協議では、各部会や各教科等のワーキンググループの取りまとめ案が次々と出され、次期学習指導要領に関する作業が大詰めの時期に来ているようだ。

特に、その中核をなす総則・評価特別部会並びに小・中・高校の各部会の協議結果が、6月28日に取りまとめ案として公表された。この中の「学習評価」については、マスコミ等で取り上げられるケースが多くはない。取りまとめ案でも内容的にさほど多いとはいえないが、これまでの「学習結果としての評価」だけではない学習評価の在り方そのものについて触れている点で、注目される。

同部会の取りまとめ案の概要についてはすでに7月7日付の本説で書いたので詳細は省くが、学習評価に関する箇所は第6項目の「何が身に付いたか(学習評価の充実)」である。この中で「子供たち自身が自らの学びを振り返って次の学びに向かうことができるようにするためには、この学習評価の在り方が極めて重要であり、教育課程や学習・指導方法の改善と一貫性を持った形で改善を進めることが求められる」とあるように、学習評価が子どもたちが未来の創り手となるために求められる資質・能力育成のための大きな柱の1つになるのを明確に示している。

次期学習指導要領では、子どもたちが社会で生きて働く知識や力を育むために「主体的・対話的で深い学び」を通した「学びの過程」を重視している。その過程を見取り、子どもたち一人ひとりの成長や学びの状況を教師が把握し子どもに伝えることで、子どもにさらなる学びに対する主体的な態度を育むことができるとしている。

例えばポートフォリオ評価のように、さまざまな学習活動における子ども自身が残した言動・活動の記録や教師の観察等の記録を時系列に保管し、ある単元のまとまりの中でそれらを見ながら振り返りをさせたり教師が所見を整理したりするなど、道徳あるいは特別活動、総合的な学習の時間のような数値で評価をすることが難しいもの、さらに教科指導の観点別評価において従来の「関心・意欲・態度」にかわって登場する「主体的に学習に取り組む態度」の観点において有効な評価方法となる。

このほか、学校が観点別評価の実施において苦心している「思考・判断・表現」の評価についても、今回の取りまとめ案は重要な示唆をしている。それは、次期学習指導要領の改訂に伴い作成される学習評価に関する参考資料が「詳細な基準ではなく、資質・能力を基に構造化された学習指導要領を手掛かりに、教員が評価規準を作成し見取っていくために必要な手順を示すものとなることが望ましい」としている点だ。

「思考・判断・表現」の評価は、学習目標と学習方法に応じた適切な評価方法が重要なカギを握る。つまり、教師の指導方法が違えば評価方法も違い、評価規準はオリジナルなものとなる。「思考・判断・表現」の評価規準が「知識・技能」に比べて汎用的な内容になりにくく、複数の教科担任が同じ内容を教える大規模な中学校や高校で評価の公正・公平性の維持に苦労するのはこうした事情があるからだ。

この解決方法の1つとして文科省が考えているのがパフォーマンス評価とルーブリックだ。子どもの学びの深さを把握するのに適切な評価方法といわれている。しかし、多忙を極める学校でその実現にはまだ多くの障壁がある。取りまとめ案がいう参考資料が、教師にとって活用しやすいよき授業改善の手引となるのを期待したい。

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