「ポケモンGO」の功罪 国、自治体は抜本的な対策を

世界の若者、子どもを中心に爆発的な人気を呼んでいるスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO(ゴー)」。(株)ポケモン、(株)任天堂などが開発したもので、スマホの全地球測位システム(GPS)の位置情報を利用し、主に屋外で画面に現れるポケモンを集めるゲーム。日本でも配信(7月22日)間もないのに、その人気ぶりは異常なほどだ。

ただ、自転車の運転中や歩行中にスマホを操作する「ながらスマホ」が事故やトラブルの要因になっているだけに、抜本的、効果的な対策を怠ると、命にかかわる重大事件に発展する可能性が大きい。政府をあげて諸対策に乗り出すことに迫られているといえよう。

アメリカの普及ぶりはすごい。プレーヤー人口は7月14日時点で6500万人を超えたという。総人口のおよそ5分の1がプレーしている計算となる。それに伴い、さまざまな現象を引き起こしているという。

▽川沿いでポケモンを捕まえようとしていた女性が、ポケモンではなく死体を発見する。
▽公園でゲームをプレーしていたゲーマーが、指名手配犯をゲットする。
▽ポケモンを求め、勝手に私有地に入り込んで銃で撃たれそうになる。

日本政府も早速、対策に乗り出した。総務省と消費者庁が「ながらスマホ」を中心に注意を喚起する文書をホームページ上に公表。「駅のホームなど落下すると危険な場所でも、ポケモンが出現する可能性がある」と、ゲームの際に注意するよう促した。ゲームを楽しむ人だけでなく、周りの人を巻き込む恐れがあると説明。スマホを見続けないように、ポケモンの出現を音と振動で知らせる機能を活用することや、立ち入り禁止区域には立ち入らないよう訴えている。

国内各地でも「ポケモンGO」の功罪を含めた検討が始まっている。例えば、▽神戸市は民間事業者、市民、職員から構成されるプロジェクトチームを設置▽「ポケモンGO」などスマホの進化が地域社会・地域経済に与える影響に関する有識者会議を設置▽「ポケモンGO」などスマホの進化が地域社会・地域経済に与える影響に関する調査研究を大学に委託——の3つの取り組みを今年度予算で行うという。

教委の動きも出ている。京都新聞(7月25日付)によると、滋賀県教委は7月25日、夏休み中の事故の未然防止に関する通知を各市町教委など関係者に送った。県PTA連絡協議会が昨年度実施した調査によると、県内の小学生の21%、中学生の53%、高校生の95%がスマホを所有しているが、通知では「自転車に乗りながらや歩きながらの操作は交通事故につながる大変危険な行為」「危険な場所に近づくことは事故やトラブルに遭う恐れがあり、他人の所有地等に許可なく入らない」「炎天下で操作に夢中になると熱中症のリスクが高まる」などと注意を喚起している。

ただ、県教委によると、県内の公立学校に通う児童生徒が「ポケモンGO」でトラブルや事故に巻き込まれたとの報告は、今のところないという。同様の通知は岡山県や埼玉県ですでに行われ、滋賀県内でも湖南市や高島市など5市教委が使用に関する注意喚起をしている。

文科省は、この「ポケモンGO」の問題を重視し、7月25日に開いた中教審学校安全部会の第2回会合で「有識者からのヒアリング」という形で取り上げた。今後の解決策に期待したい。

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