言説に踊らされないように 審議のまとめ案熟読を

中教審が「次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ(案)」を8月1日に公表し、新聞各社が翌日に報じている。

▽A社=「小学校英語20年度教科に」「討論を重視」「グローバル人材育成」「理念先行 戸惑う現場」「『発信型』アクティブ・ラーニング」「問われる教員の力」「英語人材養成に課題」「プログラミング導入 小学校は思考中心」「新学習指導要領 消化不良起こさぬよう(社説)」

▽B社=「小中高で討論型授業」「英語小5から教科」「アクティブ授業 戸惑う教師」「討論どうやって」「総合学習との違いは」「思考力強化 知識も維持」「『考える力』育成手探り」「先行の学校 大学や企業と連携も」「具体例示し現場に配慮」「高校 近現代史を必修」「『公共』政治意識学ぶ」「『理数探究』才能伸ばす」「英単語5000語が目標 小中高で」「プログラミング 論理的思考養う」「部活動に休養日 教員の負担軽減」「新教育課程の主な変更点 高校の地理歴史科、公民科の見直し」「英語教育の教科 小学校に導入される『プログラミング教育』」(3日には、社説「学習指導要領 国際化に対応できる力養おう」を掲載)

▽C社=「小学校英語 教科に」「高校『公共』新設」「夏休み短縮 下校を繰り下げ」「『どのように学ぶか』見直し」「アクティブ・ラーニング能動的な学習取り入れ」「英語の読み書き開始 プログラミング導入 小学校」「部活動で『深い学び』提案 中学校」「新設『公共』で主権者教育」「現場の工夫だけでは限界」「学習指導要領 現場の自由の確保を(社説)」

これらをどう読むか。「審議のまとめ(案)」の趣旨を体現しているのだろうか。「小学校英語」「アクティブ・ラーニング」「プログラミング教育」を全社が取り上げ、「討論」「思考力」「公共」が次いでいる。これらは次期学習指導要領のいわゆる目玉だが、言説に踊らされてはならない。木を見て森を見ずはあってはならない。教師は専門職なのだから、新聞等の報道内容を読んで分かったことにしてはならない。言説の独り歩きは危険だ。まず「審議のまとめ(案)」を全文で読むのが責務であろう。

例えば、そこに示されている次期教育課程の理念としての「社会に開かれた教育課程」、そこで育成すべき「資質・能力」の意義や内容を把握して、初めて「アクティブ・ラーニング」の意義が理解できよう。

また前述の新聞では「カリキュラム・マネジメント」についてはどの社も触れていない。「審議のまとめ(案)」の総論部分では「カリキュラム・マネジメント」の重要性が示され、その取り組みが繰り返し論じられている。すでに「論点整理」でも「カリキュラム・マネジメント」と「アクティブ・ラーニング」は両輪の関係にあると指摘されていた。

次期学習指導要領は、子どもたちが主体的に学びその先の人生で学び直す力や新しい人生や社会を創る力を学校時代から育むのを目指している。そのためには「カリキュラム・マネジメント」が重要で、学校・教師はその力量を向上させる必要がある。実践するには人・物・金・時間・情報のマネジメントが必要である。だが、情報だけはあふれるように学校に押し寄せるが、新聞が指摘するとおり「人・物・金・時間」の条件整備は今の学校に不足している。これについても「審議のまとめ(案)」は触れている。しっかりと読み、子どもの未来を開く教育の実現に必要なことは何かを学校・教師から声を大きく出していこう。

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