期待したい教育相談 SC、SSWの役割明確に

文科省の教育相談等に関する調査研究協力者会議(野田正人座長)が9月7日、第6回会合を開き、最終報告案について議論した。同会議は、いじめや暴力行為など、児童生徒が抱える問題行動を解決するための教育相談の充実策を検討している。

最終報告案では、学校の教育相談の中核に、スクールカウンセラー(SC)とスクールソーシャルワーカー(SSW)を配置する。

それとともに、今後の教育相談体制の在り方として、(1)未然防止・早期対応への体制構築(2)学校内の関係者がチームとして取り組む体制づくり(3)活動方針に関するガイドライン——に言及している。

注目されるのは、現在、法令上明確に示されていないSCとSSWの、教育上の職務内容を明らかにしている点だ。

それによると、SCの職務は、「心理に関する高度な専門的知見を有す者として、不登校、いじめや暴力行為等問題行動、子供の貧困、虐待を学校として認知した場合や自然災害、突発的な事件・事故が発生した場合において、様々な技法を駆使して、児童生徒、その保護者、教職員に対して、カウンセリング、情報収集・見立て(アセスメント)や助言・援助、すべての児童生徒が学校生活を安心して送ることができる環境づくりなどを行う」とある。

その上で、SCに必要な資格としては、心理の国家資格である公認心理師が挙げられる。だが、公認心理師は、現時点では養成カリキュラムが決定されていない。今後、国でカリキュラム内容を精査し、これまでSCとして担ってきた臨床心理士等の実績などを踏まえた上で、ふさわしい資格を判断すべきであるとしている。

一方、SSWの職務は、「福祉の専門性を有する者として、学校等においてソーシャルワークを行う専門職。児童生徒の最善の利益を考慮しながら、児童生徒の就学支援、健全育成を図るため、『児童生徒及び保護者への支援』並びに『学校組織への支援』を行う。そのため「児童生徒の置かれた環境にも働きかける」という特徴がある。

SSWの資格は、(1)社会福祉士または精神保健福祉士資格保有者(2)これらの国家資格を所持した上で取得するSSW教育課程修了者——の2種類を設けることが必要としている。(1)の者は、その国家資格に加えて、関連団体が実施するSSW講習を受講した者とする。

文科省は、すでにSCとSSWの配置拡充事業に乗り出している。

SCについては、平成31年度までに全公立小・中学校(約2万7500校)に配置するのを目標(29年度は約2万6千人)とし、SSWについては、31年度までに全中学校区(約1万人)に配置することを目標(29年度は約5千人)に掲げている。

また29年度予算の新規事業として「SC及びSSWの常勤化に向けたモデル事業」(チーム学校の一員としてのSCおよびSSWの連携の在り方、週5日配置に向けた働き方など)を成立させている。

学校における教育相談体制、教育委員会における支援体制の在り方にも言及している。特に、校長、養護教諭、担任教諭の役割を明確化し、教育相談コーディネーターを配置し、チームを組んだ教育相談体制の構築を求めているのは、大きく評価できよう。

協力者会議では、最終報告案をさらに微調整し、近く「最終報告」を出す予定だ。一部で危ぶまれている「実行可能性への危惧」を払拭する報告書を期待したい。

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