次期教育課程に向けた準備 教委は各校に応じた支援策を

次期教育課程に向けた準備とは気が早いようだが、すでに今後の学習指導要領改訂スケジュールが示されている。今年度内に告示。来年度が周知徹底。全面実施は、幼稚園が平成30年度、小学校が32年度、中学校が平成33年度、高校が34年度から年次進行。周知徹底の年度から全面実施の間は先行実施と位置づけられている。

先行実施では、先例のように、実施可能な学校は全面実施を待たずに可能なところから実施してよい。スケジュールをもとに各学校は、新教育課程の編成に取り組むことになる。これが円滑に進むよう教委による各学校の実態、教員個々の実態に応じた支援等の準備に早めに取り組むのを望む。

新教育課程の編成はこれまでと違い、「社会に開かれた教育課程」を理念とし、生きる力を具現する「資質・能力の三つの柱」を身に付けるため「主体的・対話的で深い学び」を実現させる「アクティブ・ラーニング」による指導改善、教育課程を軸とした学校教育の改善・充実の好循環を実現する「カリキュラム・マネジメント」の促進、さらには家庭・地域と一体的に取り組む「チームとしての学校」づくりなどに学校挙げて取り組む必要がある。各学校は大丈夫だろうか。

(一財)教育調査研究所による調査研究「小・中学校における『アクティブ・ラーニング』の現状と今後の課題」(27年)と「小・中学校における『カリキュラム・マネジメント』の現状と今後の課題」(28年)によれば、各学校の現状は必ずしも十分とはいえないと報告されている。
例えば、アクティブ・ラーニングの取り組み状況では、小・中学校教員ともに「十分に満足」が5%前後、「努力を要する」が30%前後だった。また「カリキュラム・マネジメント」の取り組みでは、小・中学校の校長ともに「十分に機能している」が10%程度、「課題あり」や「機能していない」が30%程度だった。学校差・教員差が大きい。

さらに考慮すべき課題がある。一つは前述のように新教育課程がこれまでと違い、「知識・理解」とともに「資質・能力」の育成を重視した教育課程の編成を求めており、これまでの教育課程や指導計画が様変わりすることである。一方、各学校・教員の側では、教育課程編成の経験があるベテラン教員の大量退職とともに、教育課程編成の経験のない若手教員が増大しており、教育課程を編成できるか危ぶむ声もある。またかなりの地域で学校の小規模化が生じており、一校内で教育課程を編成するのに困難を感じている学校も多いことだろう。教育課程は本来、校長を中心に全教職員が家庭・地域とともに各学校で編成するものだが、これが確実に行われないのではないかと危惧する状況があるのである。

そこで教委に望みたい。当然ながら、こうした状況を把握し、次期教育課程に向けた準備を始めていることと思うが、全面実施までの教委としての取り組み計画や工程表を速やかに示し、各学校の実態や教員個々の力量に応じた支援を実現してもらいたい。

新教育課程や指導計画作成のための規程や資料を教委が作成して提供する、必要な研修計画を立案し実施する、複数の学校が協力して教育課程を編成するのを支援するなど、各学校が、自校の実態等に即した教育課程の編成や指導計画の作成を、確実にできるようにすることである。

予算を伴うことでもあり、速やかで着実な対応を期待したい。

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