グローバル化に対応 経済3団体の提案に耳を傾けよう

「産業界としては、正解のない世界で自ら課題を設定し、解決に導く力、多様な価値観の人々と協働する力が必要と考えており、今回の検討の方向性は、これらの課題解決につながるものと期待している」

この提言は、10月6日に開かれた中教審教育課程企画特別部会の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」に関する関係団体のヒアリングで、(一社)日本経済団体連合会が陳述した内容だ。

経済界からのヒアリングはこのほか、(公社)経済同友会(10月17日)、(一社)新経済連盟(10月17日)。計3団体で行われたが、いずれの団体の陳述も中教審が検討している次期学習指導要領の方向性を全面的に支持する表明でほぼ一致していた。

日本経済団体連合会からのヒアリングでは、重視している項目として、(1)「伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、志高く未来を創り出していく」目標に向けて必要な資質・能力を具体化(2)発信力を強化(3)アクティブ・ラーニングの定義・柔軟な展開(4)英語教育への重点化(5)言語能力・情報活用能力の横断的な位置付け——などを挙げている。

それらの課題解決のための検討事項としては、教育現場への支援体制の整備などを挙げ、具体的には、「教員養成、教員研修、カリキュラム・マネジメントを実施し得る体制の整備」「『チーム学校』を推進し、多様な外部人材(専門家、企業人、地域人材など)の支援」などを列挙している。

その上で、「『社会に開かれた教育課程』の実現に向けた産業界との連携を重視する」と指摘している。

経済同友会からは、「おおむね賛成」との立場から、「小学校の外国語教育の教科化、高校の新科目『公共(仮称)』の新設などの重視」「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの学習過程の改善」「『社会に開かれた教育課程』の実現」などを挙げている。その上で、「着実な実行」に期待し、「教員の資質・能力として、教育力はもちろんのこと、マネジメント能力も重要だ」としている。

新経済連盟からは、「ボーダレス化する世界で勝ち抜くためには、『イノベーション』(創造性、チャレンジ精神)『アントレプレナーシップ』(粘り強さ、問題解決能力、リーダーシップ)『グローバリゼーション』(コミュニケーション力、発信力)の3つの理念に基づくマインド・能力を備えた人材を育成することが必要」とした上で、「次期学習指導要領の策定に当たっても、このような国家戦略的視点に立った必要な人材の育成という考え方が必要」と強調している。

同連盟では、特に、英語教育の充実を指摘し、「高校卒業時に『聞く・話す・読む・書く』の4技能を積極的に使える英語力を全国民が備える」「英語が社会で生きる上での必須能力であるとの認識を形成する」「学校が日常的に英語に触れることのできる場となり、小・中・高校からの海外留学が珍しくない環境となる」のを、「目指すべき姿」として挙げている。

これら3団体へのヒアリングから明らかように、要望している事項の共通点は、グローバリゼーションを実現するための英語教育などの充実。そのための外部人材などを重用した「社会に開かれた教育課程」の実現である。

いずれの課題も困難が予想されるが、この経済界の要望事項を教育界は真摯に受け止め、明るい未来が開かれる地道な努力を大いに期待したいものだ。

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