中教審答申 変革の意識をもって読む

中教審が「初等中等教育における教育課程の基準等のあり方について」、まもなく答申する。平成26年11月20日に、当時の下村博文文科相から諮問されて2年超が経過。この間、27年8月に同審議会教育課程企画特別部会から審議に関する「論点整理」が出された。今年8月には大部の「審議のまとめ」が出された。この間にも、審議内容や概要、記録、資料などが折々に公表されてきた。これらはひとえに、教育界だけでなく、次期教育課程への、さらに言えば今後の未来を開く教育への各方面の関心と議論を求め、期待するものであった。

「審議のまとめ」後には、関係団体から計4回、今年10月から11月にかけて計50団体から意見聴取が行われた。「審議のまとめ」へのパプリックコメントも募集され、計2974件(個人1587件、団体167件、不明720件)の意見提出が報告されている。これらの内容についても公表されている。中教審は、これらの意見聴取やパブリックコメントの結果などについて審議するとともに、答申に向けた意見交換を行い、答申への歩を進めてきた。

それでは、今日に到るまでの学校・教師の関心や受け止め方はどうだったか。「諮問」が出されるとまず「アクティブ・ラーニング」に反応し、「新しい」「今さら」「現行の教育課程でも行っている」「新しい言葉に振り回されない」などの受け止めが交差する中で、校内研究のテーマに取り入れたり実践的な研究・研修が行われたりするなど一つのブームのような活況を呈した。「カリキュラム・マネジメント」「資質・能力」「社会に開かれた教育課程」「チーム学校」などが話題となり、研究発表の主題や研修テーマに掲げられた。

一方で、道徳科、プログラミング教育、小学校高学年での外国語の教科化と中学年での外国語活動の導入、授業時数増に伴う時間割や日課表の在り方、部活動の在り方などの個別の課題に視点を当て、どう対応するかなどについても問題視されたり、不安の声が上がったりしていた。特に、授業時数に伴う児童のゆとりのない学校生活のぶり返し、教師の子供と向き合う時間確保への不安は強まっている。

こうした中で中教審答申をどう読み取ればよいか。3カ月後には、新学習指導要領が告示される。それほど時間はない。答申後の冬季休業中をはじめ、早いうちにしっかりと読み、趣旨を把握しておきたい。管理職は、新聞の見出しや解説で満足するのではなく、大変だが、フルテキストを読むことが求められよう。また答申に関する中教審の説明をよく聞き、文科省のこれからの取り組みを読み取り、見取るようにする。

さらに、告示を受けて各学校がこれから、いつ、何を、どうすればよいかを判断しなくてはならない。最終的には、次期教育課程は学校が編成するのであり、校長のリーダーシップが問われる。答申の理解に関して確認しておきたいのは、この答申が求めるのは「改善」ではなく「改革・改変」であり、その文脈をしっかりと把握することである。資質・能力の育成を重視する「社会に開かれた教育課程」とはどのようなもので、どう編成するのか。この教育課程を実現する「主体的・対話的で深い学び」の実現とそれを可能にし教育の質を高める「カリキュラム・マネジメント」の両輪をいかに機能させるか。そのための家庭・地域とも協働する「チーム学校」づくり。

木ではなく森を見る意識で答申を読み、次期教育課程に備えてほしい。未来を開く子供たちのために。

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